社会人男女の約8割が「AIに人間の仕事を奪われると思う」と回答――そんな調査結果が株式会社ライボ(東京都渋谷区)の調査機関『Job総研』が全国の20~50代の社会人男女956人を対象とした「2023年 AIチャットの意識調査」で分かりました。その一方で、AIチャット使用意欲については、約9割の人が「積極的に使いたい」と回答したそうです。
調査は、同社が運営するキャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス『JobQ』の登録者を対象として、2023年5月にインターネットで実施されました。
調査の結果、「AIチャットの認知度」について、88.5%の人が「AIチャットを知っている」と回答。また、「AIチャットの興味度」では、67.2%の人が「興味がある」(とても興味あり:10.0%・興味あり:23.6%・どちらかといえば興味あり:33.6%)と回答しました。
続いて、「AIチャットを知っている」と回答した846人に対して「AIチャットの使用経験」について聞いたところ、63.5%の人が「使用経験あり」と回答。これを年代別でみると、「40代」(69.6%)が最も多く、次いで「20代」(63.2%)、「30代」(62.4%)、「50代」(53.5%)と続きました。
さらに、「AIチャットの使用経験がある」と回答した537人に対して、「仕事上での使用経験」を聞いたところ、31.1%の人が「仕事での使用経験あり」と回答。これを職種別にみると、「SE・エンジニア」(98.0%)が最も多く、以下、「企画・管理」(48.1%)、「マーケティング」(46.2%)、「クリエイター」(35.3%)、「営業」(30.9%)が続いています。
次に、全回答者(※AIチャットを「知らない」と答えた人には、その機能を説明した上で回答)に対して、「AIの進化が人間の仕事を奪うと思いますか」と聞いたところ、76.9%の人が「AIに人間の仕事を奪われると思う」(とても思う:15.5%・思う:26.7%・どちらかといえば思う:34.7%)と回答しました。
これを年代別でみると、「20代」(81.7%)が最も多く、次いで「30代」(74.6%)、「40代」(72.9%)、「50代」(66.7%)と続き、年代が上がるごとにその印象が低くなる傾向が見られました。
回答者からは、「うまく使えば効率化できると思う」「人間の仕事自体は奪わないと思うが、人間の仕事をより効率的に簡単にしてくれそう」「より生産性の高い仕事へシフトチェンジできるチャンスとして捉えるべき」など、AIの進化に対してポジティブな意見が寄せられた一方で、「情報の信頼性に不安があるため、今のところ仕事で使えるレベルではない」「詐欺メールやサイトがより巧妙になってしまうのではないか」「周囲が使い始めたので気になるが、情報漏洩が心配でまだ使えていない」といったネガティブな意見も寄せられていました。
約8割の人が「AIに人間の仕事を奪われると思う」と回答したことをうけて、「今後仕事でのAIチャット使用意欲」を聞いたところ、「積極的に使う」と答えた人は86.5%(とても積極的に使う:26.3%・積極的に使う:29.4%・どちらかといえば積極的に使う:30.8%)と、約9割に上ることが明らかになりました。
また、仕事上でAIチャットを使用することで「仕事を効率化できると思いますか」という質問には、91.1%の人が「効率化する」(とても効率化する:24.2%・効率化する:39.7%・どちらかといえば効率化する:27.2%)と回答しています。
最後に、「AIチャットに対する印象」を教えてもらったところ、95.4%の人が「ポジティブな印象」(とてもポジティブ:26.6%・ポジティブ:34.5%・どちらかといえばポジティブ:34.3%)と回答しました。
ちなみに、「AIチャットに対する印象を一言で表現する場合に当てはまる感情」については、「興味」(76.4%)、「期待」(69.4%)、「希望」(37.6%)、「驚き」(25.1%)、「不安」(20.7%)、「恐怖」(15.0%)、「困惑」(11.5%)といった回答が挙げられたそうです。