大阪・難波の繁華街から歩いて10分ほどの場所に、外国人が「ぜひ行ってみたい」場所がある。「難波八阪神社」だ。
お目当ては、巨大な獅子頭の舞台「獅子殿」。公式サイトには「日本一の獅子舞台」とある。大きく口を開けた獅子舞の頭がそのまま舞台になっているという建築物で、訪れる観光客は「アメイジング!」と必ず記念写真を撮るフォトスポットとなっている。
家族やカップルで訪れた人たちは、次々に大きな獅子頭の前でポーズをとる。周りの人に「スマホのボタンを押して」と、頼むひとり旅の人も。
この「獅子舞台」が造られたのは昭和49年5月。高さは12m、奥行き、幅は7mもある。獅子の歯や目の周りは真鍮製で、天井にはめ込まれている鳳凰の彫刻は、全て手彫りだという。また目はライト、鼻はスピーカーの役割を果たすというから驚きだ。
毎年、7月13日と14日に行われる夏祭りで、氏子や地元のグループが舞う獅子舞を披露するために舞台を造ったという。大阪市内では、疫病退散の神事としてお祭りは夏に行われるのが一般的だ。
「難波八阪神社」の夏祭は、神輿や太鼓が数多く参加し、渡御も千日前・道頓堀・戎橋筋を巡行するという。この両日にかぎり、獅子舞台において獅子舞・諸々の芸能が奉納され、餅まき行事などが行われる。舞台の奥には、鉾などがガラスケースの中に展示されているのが、外からも見える。
この獅子の姿が、大きな口で勝利を呼び、邪気を飲み勝運(商運)を招くと、学業向上、就職、入試、会社発展などの祈願で全国各地から参拝客が訪れるという。
「10円玉を5円玉に両替して」と筆者に頼んできた20代の韓国女性旅行者は、SNSで知って同神社を訪れたという。お賽銭の「ご縁がありますように」も、広く外国人に知られているのかもしれない。
「難波八阪神社」は、国道26号線の西側、街なかの喧騒からは少し外れ飲食店や住宅が並ぶ一角にある。境内には大きな楠木なども植えられ、爽やかな木陰で休憩することもできる。住所は大阪市浪速区元町2-9-19。