ソフトクリームが上に乗っているプリン、生姜やほうじ茶、玄米、日本酒を用いたプリン、うどん店や薬局、寿司店などの異業種がそれぞれ思いを込めて作ったオリジナルなど、個性あふれる佐賀県内の自家製プリン57種類を紹介した「さがプリンマップ」(第2弾)が完成し、配布も始まった。企画、制作したのは「プリンで佐賀を盛り上げよう」と活動する「プリン県さが実行委員会」(大富藍子・実行委員長)だ。
江戸時代、オランダや中国から長崎に砂糖が輸入され、長崎から佐賀を経て小倉へと続く長崎街道(シュガーロード)沿いは、各地域の文化や風土を取り入れた個性的な菓子文化が花開いた。大富さんは「そうした歴史的背景があり、養鶏や農業が盛んな土地でもあるため、県内にはプリン好きの人が多い。実は個性的でこだわりのプリンがたくさんあるんです」と話す。
大富さんは同県みやき町で大富牧場と加工販売所「FLYINGCOW」を経営。牧場の生乳と佐賀の卵、きびさとうを使ったこだわりプリンを販売し始めたところ、「県内には私と同じように、それぞれの思いがこもったオリジナルの自家製プリンを作っている人たちがたくさんいることに気づき、プリンを通じた地域おこしができないかと、有志でマップ作りをすることになったんです」。
マップは2021年8月に第1弾が完成し、49種類を掲載。テレビなど多くのメディアやSNSで紹介され、3万部刷ったマップは全てなくなり、マップを手にプリンを買うお客さんの姿が大勢見られるように。そして「まだ載っていないたくさんのプリンがある」「うちの店のプリンも掲載してほしい」といった声が多数寄せられたため、第2弾を制作することになったという。
第2弾は佐賀県産の材料を使用したプリンのみに限定してセレクト。有志で試食会を2回開催し、硬さ、甘さを評価した。「プリンは硬いか柔らかいか、甘いか甘くないかで好みが分かれると思います。そこで、好みのプリンを選ぶ目安としてこれらの指標を設けました」と大富さん。どんな県産品が使われているかも一目でわかるようになっている。
第1弾が出た後、リクエストがあったというテーマソング「プリン体操」も作った。吉野ヶ里町出身のピアニストKOSEIさんが楽曲を提供。プリンを通じて、子どもから大人まで一緒に楽しく踊れる体操で、今後はイベント会場などで披露していく予定だ。
昨年3月には「自家製プリンを活かした地域活性化を目指し、プリン県さが実行委員会を立ち上げ、新しい佐賀の魅力を発信されるとともに、農産物の販売など地域をつなぐ取り組みに尽力された」として、山口祥義・佐賀県知事から「佐賀さいこう表彰」(女性活躍推進部門)を受けた大富さん。「これからも仲間とともに様々なアイデアを出し合って『プリン県さが』を盛り上げていきたい」と意気込む。今年のGW、マップを手に県内各地の美味しいプリンを食べ歩いてみては。
【「プリン県さが実行委員会」インスタグラム】@purinkensaga