決めポーズは「うまうまきゅん!」で競馬ファン熱狂!? 史上初の地方競馬アイドル「UMATENA」人気上昇中

西松 宏 西松 宏

佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)を拠点に活動する7人組アイドルグループ「UMATENA(ウマテナ)」が人気を集めている。今年4月の本格デビュー以来、月1度のペースで同競馬場の野外ステージで歌やダンスを披露。7月13日には小倉競馬場で出張ライブを行い、同28日の「吉野ヶ里記念」ではSKE48をゲストに迎える予定だ。「史上初の地方競馬場アイドル」として目が離せない存在になりつつある。

♪ファンファーレが鳴り響いたら きみの胸に駆け出したい うまうまきゅん!

6月30日、競馬場のコースそばにある野外ステージ前には、悪天候にもかかわらず100人近くのファンが集結。メンバーが冒頭のデビュー曲「Fanfare〜幸せの合図〜」を歌い、「うまうまきゅん」の決めフレーズで締めくくると、スタンドで観戦中の競馬ファンからも大きな拍手がおくられた。競馬をイメージした歌詞と振り付けが人気で、この日はメインレースの「佐賀ユースカップ」前に5曲、同レース後に2曲を歌い、競馬場を盛り上げた。

グループ名の「ウマテナ」は佐賀競馬場のキャッチフレーズ「うまてなし」と、戦いの女神「アテナ」をかけて命名。「全国の競馬ファンに夢と幸運をもたらす存在に」との願いが込められている。それぞれのメンバーは出走馬の8枠に合わせたカラーを持ち、2枠黒色はいない。「この枠はファンの皆さん。なぜなら、ファンの皆さんがいないとレースは始まらないから」(リーダーの桜衣かれんさん)

競馬場を本拠地にするアイドルは全国の地方競馬で初めてという。企画したのは佐賀県競馬組合。経営企画課広報販促係係長の飯田健史さんは「競馬って、馬券を買うだけでなく、馬が好きな人、騎手の追っかけなどいろんな楽しみ方ができて、アイドルの『推し』とよく似ているんですよね。競馬とアイドルは親和性がとても高いと感じています」と話す。

飯田さんによると、同競馬場ではコロナ禍以降、40代以上の来場者が減る一方、20代〜30代の来場者が増加傾向にあり、全体の約4割を占めているという。「アイドルを通じて、まだ競馬をやったことがない、あるいは競馬場に来たことのない若い人たちに、競馬の魅力や楽しさを伝えられれば、地方競馬はもっと活気づくのではないかと」

メンバーは馬券が購入できる20歳以上を対象に募集。今年1月に行われたオーディションで、約70人の応募者の中からアイドル経験者5人、未経験者2人の計7人が選ばれた。「経験者5人はいずれも福岡のアイドル界で実績のある子たち。すでに解散してしまったグループの子もいて「『UMATENA』として再降臨した」と喜ぶ元々のファンの方々もいます。5月に博多のどんたく祭りに参加した際は、結成してすぐとは思えないほどの盛り上がりぶりでした」(飯田さん)

メンバーは全員、競馬に関しては初心者だが、オーディション前から競馬について猛勉強を開始。公式ホームページの動画では、「パドックの極意」「競馬新聞の読み方」「便利で簡単!ネット投票を学ぶ」など、初心者ならではの新鮮な視点で地方競馬の魅力を伝え、競馬を全く知らない人にもためになる内容になっている。

「佐賀競馬だけでなく、競馬界全体を盛り上げるアイドルに育ってほしい」と飯田さんは期待を込める。 

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