便利なはずなのに「iPhoneで使えないなんて」 モバイルICOCAの今後の対応は? JR西日本「検討中としか言えなくて…」

小森 有喜 小森 有喜

JR西日本は「モバイルICOCA」アプリのサービスを3月下旬から開始しました。ICカードを持ち歩かずとも、スマホをかざすだけで電車やバスの利用が可能。改札通過のたびにアプリを起動する必要はなく、定期券の利用やICOCA対応店舗での支払いもできる便利なサービスです。こうしたモバイルサービスの導入は西日本の鉄道事業者で初となりました。

しかし、現時点で対応機種はAndroidのみ(Android 10.0以上で最新版「おサイフケータイアプリ」がインストールされたスマートフォン)。SNSでは「iPhoneで使えないのホンマ草」「リリース発表したの3年前なのに」「広告の『for Android』はもっと字を大きく書くべき」といった声が上がっています。

iPhone対応のiOS版アプリの導入について、同社は各メディアからの取材に「検討中」との回答に留めており、不安を感じたiPhoneユーザーも多かったとみられます。アプリのリリース時にAndroid版がiOS版より先行するのはままあることですが、サービス発表からの期間や期待感の大きさ、先行するJR東日本の「モバイルSuica」との比較といった要素が不満の声につながったようです。

担当者「検討している、が精一杯の答えです…」

iOS版アプリは開発の過程にあるのか、JR西日本に問い合わせました。「現時点では社内で検討している、としか言えないんです。それが精一杯の答えでして…」。電話口の担当者は口をにごします。

そもそもアップルの「App Store」でのアプリ販売には厳しい審査があり、事前の情報公開も制限されていると言われます。「より多くのお客様の使いやすさを考えてしっかり検討したい」「内容の変更があれば発表させていただきますので、その時までお待ちいただけると幸いです」との返答に留まりました。

ちなみに、20年にJR西日本が発表したモバイル ICOCAの導入計画では「お客様のスマートフォンでご利用いただける(※中略)サービスを2023 年春(予定)に開始します」とあり、Android版のみという記述はありません。他社の事例にはなりますが、2020年導入の「モバイルPASMO」もまず3月にAndroid版をリリースし、約半年後の10月からiPhoneに対応した経緯があります。確かなことは言えませんが、iPhoneユーザーは気長に待つのが吉と言えるでしょう。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース