VUCAの時代と呼ばれる現在は、働き手による主体的なキャリア形成への関心が高まっています。特に今の20代にあたるミレニアル世代やZ世代は「キャリアの自律」への関心が高いと言われています。2023年4月に入社を控える新社会人が、自身のキャリアをどのように考えているのか見ていきましょう。
株式会社学情が2023年4月に入社を控える新社会人(以下、新社会人)を対象に、2022年12月に実施した調査では、新卒で入社した企業で働きたい年数は「定年まで働きたい」が32.7%で最多。次いで、「3年以上5年未満」23.4%、「5年以上10年未満」19.3%の回答を集めました。コミュニティへの帰属意識や貢献欲と、自身の成長の両方の価値観が伺える結果となっています。
新社会人が入社した企業で働きたい年数は「定年まで」が最多
新卒で入社した企業で働きたい年数は「定年まで働きたい」が32.7%で最多となりました。「転職が当たり前の時代になっているものの、1社でキャリアを積むことも良いことだと思う」「長く働いているという信頼関係あるからこそ得られるものもあると思う」「新卒で入社した企業ではビジネスマナーなど基礎から育ててもらうことになるので、長く働いて会社に貢献したい」といった声が寄せられました。「長く働くことで会社に貢献したい」「信頼関係を築きたい」という意向がうかがえます。
次いで多くの回答を集めた年数は「3年以上5年未満」23.4%、「5年以上10年未満」19.3%でした。「キャリアアップ・スキルアップをするためには転職も1つの手段だと思う」「転職が多い業界に就職するので、1社目で学べることを習得したら次のステップに進みたい」「まずは3年、入社した企業で経験を積み、ビジネス上の自分の強みを見極めたい。自身の強みが活かせないと感じた際は転職も1つの手段だと思う」「年功序列でなかなか昇進できないのであれば、転職も視野に入れたい」などの声が上がりました。終身雇用が当たり前ではなくなりつつある現在、「キャリアの自律」への関心も高くなっていることが分かります。
管理職を目指す新社会人の割合は?
社会人と働くなかで、「管理職になりたい」と回答した学生は54.6%でした。昨年よりも3.7ポイント高い結果となりました。
新卒で入社した企業で目指したい役職第1位は「主任・係長」
新卒で入社した企業で目指したい役職は、「主任・係長」が33.3%で最多となりました。「まずは1番イメージを持てる役職を目指したい」「プレッシャーが大きすぎる役職にはつきたくない」「プライベートと両立できる働き方をしたい」といった声が上がりました。
次いで回答を集めた役職は、「部長」で25.6%。「仕事をするからには、キャリアアップを目指したい」「裁量を持って働きたい」「マネジメントに挑戦したい」といった声が寄せられました。
<調査概要>
・調査期間:2022年11月17日~12月4日
・調査機関:株式会社学情
・調査対象:「あさがくナビ2023(ダイレクトリクルーティングサイト会員数No.1)」会員
・有効回答数:441件
・調査方法:Web上でのアンケート調査
※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合あります。
◇ ◇
新卒で入社した企業で働きたい年数は、「定年まで」が最も多く、次いで回答を集めたのは、「3年以上5年未満」でした。「キャリアアップするためには転職も1つの手段だと思う」という声に代表されるように、自身のキャリア形成のために、「会社に残ること」も「転職すること」も柔軟に選択していきたいと考える新社会人が多いのかもしれません。
キャリア形成の手段は、転職だけではありません。自身の経験やスキルを棚卸したり、自身の目指したいキャリアやその実現のために考えたりすることが、「キャリアの自律」につながっていきます。「やりたいこと」や「関心のあること」「目指したいこと」を定期的に言語化していくことが、自身の希望するキャリアを実現する一歩かもしれません。