まだまだ高い「小1の壁」…働く母親の7割「入学前より、仕事と子育ての両立が大変になった」 4割は働き方の変更を検討

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

共働き世帯の親も増えている昨今ですが、子どもの就学によって仕事と子育ての両立が難しくなる「小1の壁」と呼ばれるものがあります。全国の小学校1年生~3年生の子どもをもつ働く男女200人(女性160人、男性40人)に「働く親の『小1の壁』に対する意識と実態調査」を行ったところ、働く母親の7割が、子どもの小学校入学前に比べて入学後のほうが「仕事と子育ての両立が大変」だと感じていることが分かりました。また、その理由として、持ち物・宿題など日々のサポートのほか、長期休みの対応などを挙げたそうです。

スリール株式会社(東京都文京区)が、2023年1月にインターネット上にて実施した調査です。

まず、「小学生になった時に、入学前より両立が大変に感じましたか?」と質問したところ、女性の7割(「とてもそう思った」:33%/「まあそう思った」:38%)、男性の6割(「とてもそう思った」:30%/「まあそう思った」:30%)が小学校入学前に比べ両立が大変となったと感じていると答えました。これをリモートワーク勤務可否で回答を比べたところ、小学校入学前に比べ両立を大変に感じる比率に大きな差は見られなかったといいます。

次に、小学校1年生~3年生の子どもを持つ女性160人に、「小学校入学前より両立が大変だと感じる理由」について質問したところ、「持ち物・宿題・勉強サポート」(108人)が最も多く、以下、「長期休みの対応」(99人)、「PTA・保護者会などの学校行事」(77人)、「学級閉鎖などの対応」(75人)といったものが上位に挙がりました。

続いて、「『小1の壁』で転職や離職など働き方の変更を検討しましたか?」と質問したところ、38%の人が「はい」と答えました。また、「はい」と答えた人に「具体的にどんな形で働き方を変更しましたか?」と質問したところ、「同じ会社で働き方(時短等)の変更」が53%で最も多く、続いて「退職してパートタイムなどの働き方に変更」が28%、「同じ会社で契約形態の変更」が8%、「働きやすい会社に正社員で転職」が7%、「退職して専業主婦/主夫になっている」が3%となったそうです。

さらに、「夏/冬の長期休みへの不安はありましたか?」と質問したところ、8割が「不安があった」(「とてもあった」:38%、「まああった」:42%)と回答しました。これをリモートワーク勤務可否で回答を比べたところ、長期休みに対する不安はいずれも8割と同割合という結果に。

最後に、「『小1の壁』を乗り切る中で、『会社』『学校・自治体』に行ってほしいこと」を質問したところ、「会社」では「長期休み時の対応(勤務時間/体系、金銭補助等)」(88%)、「就業時間の柔軟性(リモートワーク、フレックスタイム等)」(66%)、「職場での『小1の壁』の理解促進」(51%)が上位に挙がった一方、「学校・自治体」では「長期休み時の学童開所時間の前倒し」(61%)、「保護者会の開催時間・参加形態(オンライン化)の調整」(57%)、「学校からの連絡配布形態のオンライン化」(55%)が上位に挙がったそうです。

  ◇   ◇

調査を行った同社は、「『小1の壁』は子どもの成長過程の一つの出来事です。超えられない高い『壁』と感じさせ、“離職”という選択肢しか残されない状況を作らないためにも、当事者である親だけでなく、企業、そして学校がそれぞれの立場で見直しの図れることに取り組む必要があるのかもしれません」と述べています。

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