「倒される怪獣の気持ちがわかりました」ウルトラマンジード濱田龍臣、殺し屋を演じて覚醒「悪役を演じてみたい」

石井 隼人 石井 隼人
悪役の魅力わかった?濱田龍臣(撮影:石井隼人)
悪役の魅力わかった?濱田龍臣(撮影:石井隼人)

「正義の味方に倒される怪獣の気持ちがちょっとだけわかりました」。

ウルトラマンジードこと俳優の濱田龍臣(22)が、ヴィラン役で新境地開拓。2021年の公開時に熱烈なファンを獲得した映画『ベイビーわるきゅーれ』待望の続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(3月24日公開)で殺し屋の兄弟を演じた。

新しい時代の傑作邦画続編

都内ミニシアターで特集上映が組まれるなど、映画ファンはもとより、若年層からの熱い支持を集める27歳の俊英・阪元裕吾監督による最新作。ゆるっとした女子高生殺し屋コンビの悲喜こもごもを描いた前作『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)では、阪元監督をはじめ主演の高石あかりと伊澤彩織が一躍注目された。

その続編となる今作では、高校を卒業してゆるりとした共同生活を送るちさと&まひろ(高石・伊澤)の前に、殺し屋協会でアルバイトする殺し屋兄弟ゆうり&まこと(丞威・濱田)が立ちはだかる。

まこと役の濱田は「女性の殺し屋2人が主人公で、それに敵対する殺し屋兄弟の弟役。その説明を受けたときは“なにそれ!?”となるくらい混乱しました。子役から役者の仕事をやってきて、洗脳されて人を殺す設定の役は経験済ですが、実際にそのようなシーンを撮影したわけではないので、“俺はついに人を殺めるのか…”とドキドキしました」と予想外のオファーに驚いた。

「敵役」という言葉に痺れる

福山雅治扮する坂本龍馬の幼少期を演じた2010年の大河ドラマ「龍馬伝」など、子役として様々な作品に参加した濱田の芸歴は15年以上。『ウルトラマンジード』(2017年)では主人公・朝倉リクを演じて、世の子供たちが憧れる正義の味方になった。

それがまさかの殺し屋役。拳銃を撃ちまくり、タバコも吸う。「銃を持つのも、タバコを吸うキャラクターも初めてです。撮影では“これが銃か、これがタバコか”と一つ一つに感動。新鮮な経験でした」と笑う。

「敵役」という言葉にも痺れた。「今までは正義の味方として『お前を倒す!』とカッコ良く言っていたのが、今回はそれを言われる立場になったわけですから。取材の場でも『敵役ですね』とか言われたりすると『おおお…』となる。正義の味方に倒される怪獣の気持ちがちょっとだけわかりました」。

自分と5つしか違わない阪元監督の才覚にも痺れた。「僕からのアイデアの提案をしっかりと受け止めて、レスポンスもはっきりしてくれる。役者に親身になって寄り添ってくれる方で、意見の言いやすい環境を作ってくれました。年齢を聞いたときはビックリ。自分と5歳しか違わないのに、こんなに才覚溢れる若い監督がいたのかと思って」。

かつての子供たちへ…

『ウルトラマンジード』で濱田ファンになったかつての子供たちも、いつか本作を目にすることもあるだろう。「ウルトラマンはもちろん出ないし、社会不適合者しかいない世界線ですが、かつての子供たちには僕の燃えるような目つきと感情を見てほしいです。それは朝倉リクを演じていたときとは違うもので、そこに俳優という職業の深みと面白みを感じ取ってもらいたいです。俳優とは多様性があってなんぼの仕事ですから」と呼び掛ける。

本作の経験を経て、悪役に対する興味も高まった。濱田は「想像を絶するような背景を持つ悪役を演じてみたいです。“どうしてお前は悪の道に進んだんだ!?”と観客を困惑させるようなキャラクターがいい。ふとした瞬間に壮絶な悲しみをチラッと見せたりして。自分がそれを演じたらどうなるのか、僕自身も興味があります」と新たな挑戦へのオファーを待ち望んでいる。

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