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「7番出口」が見つからない!「8番出口」はあるのに…京都の地下鉄駅で〝異変〟の理由とは?

京都新聞社 京都新聞社

 京都市営地下鉄五条駅にはどんなに地下通路内を探しても見つからない出口がある。地元の利用客らは「五条駅の『七不思議』」と呼んでいるという。くしくも今、無限ループゲームを実写化した映画「8番出口」が上映され、話題となっている。地下通路の「異変」の謎を探った。

 9月中旬、五条駅周辺を歩いた。改札を出た先の構内マップを見ると7番出口が見当たらない。「8番出口はあるのに」と疑問を抱きつつ、実際に通路を1から順にたどり歩いたが、影も形もない。通勤で五条駅を使っていたという住民は「同僚たちと『7』がないから『五条駅の七不思議』と呼んでいました」と話す。

 6番出口から地上に上がってみた。近くにバス停があり、駅周辺の観光マップが掲示されていて、「7番出口」が記載されていた。地図の指し示す場所の前まで行ってみると、コインパーキングがあるだけだった。以前は7番出口があったのだろうか。

 市交通局に問い合わせると「五条駅の7番出口は元々ないんです」と回答が返ってきた。担当職員によると、烏丸線の出口の番号はどの駅も国際会館駅方面に向かって右側に奇数、左側に偶数が並ぶ。五条駅はその法則に従って番号を振った結果、7番が欠番になったという。

 五条駅は1981年の市営地下鉄開業時には6番出口までしかなかった。その後、95年のエレベーター設置に伴い、新たに現在の6番出口が増設された。元々6番だった出口は8番となって、現在のまち並みとなった。

 バス停に掲示された「7番出口」について、疑問が残った。マップを管理する市観光MICE推進室によると、マップは2005年頃に設置されたもので、「どうしてそうなったのかは分からないが、1~8番まであって7番出口もあるであろうという推察で誤って記載したままとなっていたのではないか」と説明する。あるはずのない7番出口は「うっかりミス」によるものだった。現在は、市交通局がテープを貼って修正している。

 実は烏丸線にはほかにも存在しない出口があるという。今出川駅の5番出口と北大路駅の4番出口だ。今出川駅は五条駅と同様で番号の割り振りの都合が理由だ。北大路駅は当初6番まで出口があったが、1994年頃のバスターミナルと複合施設「キタオオウジタウン」が建設された際に2番と4番出口が統合された。

 映画「8番出口」は主演を務める人気アイドルグループ「嵐」の二宮和也さんが、殺風景な地下通路に閉じ込められ、風景や通行人などに異変があれば引き返し、変わりがなければ進むというルールに従い、8番出口を目指すというストーリーだ。市交通局はファンの「聖地巡礼」で乗客を増やそうとコラボ企画に力を入れていた。「7番出口がないことは『異変』ではないんです」

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