ライダー俳優・飯島寛騎の武器はキャリア22年の妄想癖だった!? でも夏の山と虫には完敗

石井 隼人 石井 隼人

仮面ライダー出身俳優の武器、それは妄想。映画『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(8月27日公開)で、オラオラ系の美しきカリスマ金髪霊能者ナナシを演じた飯島寛騎(25)は言う。「妄想歴は22年と言っても過言ではないです。物心ついたときから妄想族でしたから」。その武器は今の仕事にかなり活きている。真夏の森の中でこの世のものならざる異形と死闘を繰り広げた本作ではなおさらのこと。

『コワすぎ!』ファン待望のフェイクドキュメンタリー

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズや映画『地獄少女』などで知られるホラー監督・白石晃士による最新作にして、『コワすぎ!』ファン待望のフェイクドキュメンタリー。WOWOWで放送された連続ドラマ版に、不気味な短編『訪問者』を加えた劇場版として公開される。

落ち目の映画監督・黒石(白石)が傑作ドキュメンタリーを撮影すべく、助監督の市川(堀田真由)を引き連れて異界とつながる祟りの森に突撃!精神錯乱気味の美女・麻里亜(筧美和子)やスーパーボランティア・江野(宇野祥平)、金髪霊能者ナナシ(飯島)ら怪しげな面々に出会いながら、地球滅亡の危機に直面していく。

体験したことのないワクワク感

フェイクながらも、全編が真に迫ったドキュメンタリータッチの演出で展開。飯島は「落ち目の映画監督・黒石に成り切った白石監督自身が実際にカメラを持って長回しの撮影をする。どのように編集されてどのような完成形になるのか撮影中は全くわからず、いまだかつて体験したことのないワクワク感がありました」とイマジネーションを刺激された。

祟りの森を襲撃するバケモノたちの姿は一見の価値あり。クトゥルフ神話から飛び出してきたかのような深海生物的ビジュアルのバケモノたちがウジャウジャ登場。ホラー好きはもちろんのこと、H・P・ラヴクラフトや諸星大二郎ファンならばグッとくるクリーチャーではあるものの、それらとバトルを繰り広げる俳優陣は大変だ。

「バケモノたちはCGで描かれるので、すべて想像で演技しなければいけない。目の前に存在しないバケモノに対して反応したり、攻撃したり、逃げまどったり。でも実際はあたり一面のどかな森なわけで。何もないところを殴っていたりすると『俺は今何をしているのか…』とシュールな気持ちに襲われる」と苦笑い。

“むっつり”ではなくポジティブな妄想

そんなときに発揮されるのが、飯島曰く22年ものキャリアを誇る妄想癖。「僕は妄想大好きの妄想族なので、白石監督から『ムニョニョニョ…ショッパー!と来ますよ』と擬音での演出があっても『なるほどね』とすぐに腑に落ちる」と水を得た魚だ。

妄想族であることを飯島がはっきりと自覚したのは3歳の頃だという。「自転車に乗れる自分を想像したら3歳にして乗れた。それ以来、妄想好きに。テストで満点を取っている自分、正義の味方になっている自分、テニスプレイヤーになっている自分。恋愛もそうでした。妄想といっても“むっつり”ではなくてポジティブなものばかり。その通りに行かなくとも最高のパフォーマンスが出来たりする。俳優業も僕にとってはそんな妄想の延長なのかもしれません」と分析する。

仮面ライダーは虫が苦手

かつて仮面ライダーエグゼイドとして数多くの強敵と拳を交え、『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』では未知なるバケモノと戦い、CGという強敵にも持ち前の妄想力で打ち勝った。しかし自然の掟の前では完敗宣言。ロケ場所となった夏の山は…最強過ぎたようだ。

「僕は北海道出身ですが、山登りが苦手で虫もダメ。ロケ地は山の中で、撮影場所に行くまでに登ったり降りたりの繰り返し。猛暑の中での撮影だったのでシンプルに湿度がきつい。役衣装が黒のジャケットで暑くて汗も止まらず。坂道をみんなでダッシュする場面ではさすがの宇野祥平さんも『もう無理や!休憩!』と座り込んでいました。それも含めて忘れられない最高の思い出」と苦労の末の完成に満足している。

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