ヤフーがYahoo! JAPANのビッグデータからAIが予測した「2023年にヒットが予測される商品」を昨年12月に発表。
ファッションアイテムや生活雑貨などが挙げられるなか、ひとつ異色な名前が挙がっている。その名も「オバケーヌ」。調べてみると、どうやらおばけをモチーフにしたキャラクターのようだ。
一般的に怖いものとされているおばけをなぜキャラクターテーマに? 話題のキャラクターを開発、グッズを製造している株式会社 クラックス(大阪市中央区)の担当者に話を聞いた。
「オバケーヌ」って? 担当者に聞いた
オバケーヌの公式サイトを見てみると、「どろどろ~んとすがたをあらわすオバケのなかまたち。きょうもこっそりあなたをおどろかせようとひそんでいるかも…!?」と書かれている。
といっても怖さはなく、パステルカラーを基調したサイトには、オバケーヌをはじめとする仲間たちがずらり。オバケなだけあって、白い布を被っており、脚はない。ゆるくて丸いフォルム、つぶらな瞳が並んだだけのシンプルな顔がなんともかわいらしく、小中学生の心を掴むのも納得だ。担当者でオバケーヌの生みの親である社員が取材に応じてくれた。
ーーオバケーヌとは?
「おばけをテーマにしており、本来怖いとされるおばけをかわいくしたキャラクターです。メインはオバケーヌなのですが、動物や食べ物がおばけになった仲間たちもいます」
ーーなぜおばけをモチーフに?
「ファンシーバラエティ雑貨の業界というのは、それはもうたくさんのキャラクターで溢れています。なかでも動物をテーマにしたキャラが多いのですが、だんだん飽和してきまして…。
商品部で市場調査をして、動物以外でメインになるようなモチーフを試行錯誤していました。私自身も毎週雑貨屋さんに行って勉強するなかで、いま子どもたちのあいだではモンスターやおばけといった怖いものが流行りつつあるのかなと。怖いものと認識されているおばけを、かわいいものにする、そういったコンセプトを元にフォルムを考えだしたのがきっかけです」
ーーそこから商品化にこぎつけたんですね
「発案してからはデザイナーなども交えて社内でひたすら練っていきました。そして2020年11月にデビューし、トータルステーショナリー(鉛筆や消しゴムなどの文房具セット)を発売したところかなり好評で、シリーズ化が決まりました。
いまは文房具のほか、キーホルダーやぬいぐるみなどの雑貨類、コームやミラーといった化粧雑貨、バスボールなどお風呂周りのグッズも販売しており、3月にはシリーズ第10弾のグッズを発売予定です」
ーー人気は小学生が中心?
「実は年齢が上の方も購入されているんです。文房具を購入されるのは小学生の子が多いんですが、ぬいぐるみやキーホルダーは高校生や社会人の方にも人気で、幅広い世代に愛されています。大人の女性の方はこういった雑貨を使っていた小学生の時を思い出して、懐かしく思っていただけるようです」
ーーヒット予想にも挙がりました。認知度も上がっている?
「雑貨店にオバケーヌを名指しで買いに来られるお客さんも増えており、誕生から3年目にして認知されてきた実感もありますね。弊社のキャラクターのなかでもここまで知名度が上がったものは初めてなので、今後も力を注いでいくつもりです。
オバケーヌの仲間を増やしたりと、色々な世界観を展開していく予定ですので、今後も楽しみにしていただければ嬉しいです」
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オバケーヌの商品は全国のファンシーショップ・書店を中心に展開中。