何気なく言われたひと言が、後になってもモヤモヤと心に残ることがあります。おそらく相手は嫌味で言った言葉ではないため、怒ることができないのが難しいところです。そんなモヤモヤについて、Instagramで漫画を投稿しているB.B軍曹さんが描いた作品『ご飯は簡単なものでいいよ→どう思う?』が話題となっています。
ある日の仕事終わり、作者は当時のパートナーに「今日のご飯どうする?」と聞きます。すると相手からは「簡単なものでいいよ」と言いますが、それに対して作者は「簡単だと思うなら自分で作れよ」と感じたそうです。
数年後、髭さんと結婚した作者は以前と同じように「今日のご飯何がいい?」と尋ねます。すると「ウーバーパーティーはいかがでしょうか?」とまさかの提案をしてくれます。それは、作者の疲れを察したうえでの“代替案”でした。
そんな髭さんに作者は「簡単なものでいいとか言わないのすごい」と褒めると、自分もそう言われると嫌と即答します。実は髭さんは社会人になって間もない頃、上司に「パパッとこの資料も作っといて簡単だしいけるよな?」と言われたことがあり、「あなたにとっては簡単でも新卒の自分にとっては...」と感じたことがあるのだそうです。
「簡単」と「難しい」の基準は人によって変わります。髭さんは、少なくとも「簡単」と言うのは本人だけが使っていい言葉だと完璧な解答をするのでした。
読者からは「ホントにスゴい模範解答」「相手目線素敵です」など、多くの賛同の声があがっています。そこで同作について、作者のB.B軍曹さんに詳しく話を聞きました。
自分を「基準」にして、人を思いやる
ー以前の軍曹さんは特に言い返すことなく、黙って耐えていたのでしょうか?
はい、むしろ「こんなことでイラッとしてしまう自分は心が狭いのかも」と、自分を責めてしまうことの方が多かったです。でも本音では、「簡単なものでいい」って、なんて上から目線の発言だろうって思っていました。何を作るかは任せるけど、作るのは私。しかも「簡単」っていう見えない基準まで提示されるって、プレッシャーでしかなかったんですよね。
何より「簡単かどうか」を決めるのは作る人であって、お願いする側じゃない。今思えば、あのモヤモヤは自分の中にあった違和感が言葉にならなかっただけなのかなーとすら思えてきます。
ー旦那さんは軍曹さんのお疲れ度を察知してくれたのでしょうか?
髭は、表情や態度で察するのが得意というよりも、「この人いま疲れてるかも」と思ったら、まず聞いてくれることが多くて。ウーバーを提案してくれた時も、そういう察しと優しさが重なってるなと思いました。
でも本人いわく、「察した」というより、「自分も疲れてるから、相手も疲れてるかもしれないって思っただけ」と言っていて(笑)そういう“自分を基準にして相手を思いやる”姿勢が、私はすごく心地よくて、気が楽になるのかなと思ってます。
ー“簡単だから”と言いたくなる時はどう気をつければ良いと思いますか?
私自身、髭の話を聞くまでは「簡単だからやって」と言われた時のモヤモヤの正体がわからなかったんです。でも髭の、「簡単かどうかは、やる本人にしかわからない」という言葉で腑に落ちました。
“簡単だから”という言葉の裏には、「それぐらいやって当然」というニュアンスが含まれてしまうことがある。だから言う側が意識しないと、相手に「それくらいもできないの?」って圧をかけてしまうんですよね。
例えば「助かるけど、無理だったら全然大丈夫!」みたいに、“できない選択肢”をちゃんと残す言い方をすることが大事だと思います。あと髭がよく言うのが、「これ、やってもらえたらめちゃくちゃ神なんですが〜っ!」って頼み方好きですね(笑)
いずれにせよ“当然じゃない”という前提でお願いしてるんですよね。言葉ひとつで、思いやりは伝わるんだなと思ってます!
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