「600dpiと言っただろ!お前プロじゃないのか!」サイズと解像度の区別ができない発注元 知ったかぶりおじさんが話題 

中将 タカノリ 中将 タカノリ

素人の知ったかぶりに困惑するデザイナーのエピソードがSNS上で話題になっている。

件のエピソードは1990年代のDTP黎明期にデザイナーをしていたNさん(@misoka09)が投稿した

「以前、代理店営業から『600dpiでください!』と言われたので、『印刷サイズはどれくらいですか?』と聞いたところ、『だから600dpiだと言っただろ?お前プロじゃないのか?!』と高圧的にでられたので、『600dpiにはちがいありませんよ?』とアイコンサイズぐらいの画像を渡したことがある。」というもの。

サイズと解像度を混同した高圧的な取引先に一矢報いたというのはなんとも痛快。Nさんは優しいことに別の媒体にA4サイズ600dpiの画像も用意しておいてあげたということだが、このエピソードのように素人の勘違いや知ったかぶりに困惑する専門職の人々は多いようだ。

Nさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「仕事柄それすごくわかります サイズと密度であるdpiが判らないと何ピクセルの画像が必要か出せないでしょ、と。。。あとデータ支給で何度言ってもイラレのリンクが欠落したデータを送ってくるクライアントw」
「素人ワイ、思いついた言葉は『A4に最適な感じでお願いします』分からんなりにお任せしたほうがいいと判断」

など数々の共感の声が寄せられている。

投稿者さんに聞いた

Nさんに話を聞いた。

ーーそもそも取引先の人柄にどのような印象を抱いていましたか?

N:制作部署の部長で、パワハラ、モラハラ、セクハラあたりまえの「いかにも昭和な叩き上げ営業」のボスといった感じでした。本来ならば現場で下請けの相手をするような立場ではなかったはずですが、よく首を突っ込んでは現場をかき回すため、社内の内製スタッフからも煙たがられていました。

ーーアイコンサイズの画像を渡した際の営業の反応はいかがだったでしょうか?

N:最初はピンときていなかったようですが、「600dpiで3mm」と聞いて使い物にならないことと嫌がらせをされてることは理解したようで、「そんなんじゃ使い物にならないだろう」と怒鳴られました。「72dpiで252cm」のデータを見せた後にやっと自分が大きな勘違いをしていることに気づいたようだったので、改めて2つを比べた説明をしました。

直前に社内DTP講習があったようで、いっちょかみの知ったかぶりをしたかったようです。その事件以前から8年近く、毎日のように丁々発止する間柄だったので、特にそれ以上関係性がこじれることはありませんでした。

ーーこのような知ったかぶりや理不尽な言動を浴びたご経験は他にもあるのでしょうか?

N:今となっては忘れてしまいましたが、毎日のように愚痴と笑い話のネタがあったように思います。この部長のように、現場をあまり知らないのに首を突っ込んでくる人ほど知ったかぶりで現場をかき回します。「写真をアウトラインデータにすれば容量が軽くなって引き伸ばしに耐える」などの謎理論を持ってたりもしました。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

N:バズりたくてつぶやいたツイートではなかったので複雑な気分です。炎上こそしなかったものの、否定的なコメントも多少ありましたから、バズり始めにツイ消しするかどうか悩んだほどです。もっとも前後のツイートやスレッド内だけでなく、当該ツイートすら読めていない人が多いのが気になりました。引用リツイートで独自の意見をつぶやかれている方の中に解像度を理解していない様子が見て取れる場合も散見され、どこまで補足すべきかも悩みました。

◇ ◇

読者のみなさんにもこのようなことをしてしまった、されてしまったという経験はないだろうか?せっかく専門職に業務を依頼しているのに、素人の浅はかなプライドや思い込みでそれをさまたげるのは愚の骨頂。仕事には冷静かつフラットな感覚で臨みたいものだ。

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