物価高騰が止まらず、連日「〇〇品目の食品商材が値上げした」といった報道を見る機会が増えました。昨年8月に値上げされた品目に対し、10月には品目数が2.5倍に増えるデータもあり、この高騰の波は今後しばらく続きそうです。
この時世の中、少しでも節約しようと例えば「ランチを外食ではなく弁当に変えた」といった人も少なくありませんが、しかし「弁当」というのも手間暇や食材費を考えると、意外と値が張ってしまうこともあります。
そんな中で、この時世にピッタリ合った救世主的な「弁当レシピ本」が刊行されました。その名も『のっけ盛りが毎日楽しい100円でお弁当』検見﨑聡美・著(青春出版社)という本です。
100円の「のっけ盛り弁当」を実現させるための「5つの秘策」とは?
料理研究家で管理栄養士の検見﨑聡美さんによる一冊で、52品にも及ぶ弁当のレシピが綺麗なビジュアルと合わせてズラリ紹介されていますが、いずれの弁当も「のっけ盛り」がコンセプトで、しかも各弁当の原価はほぼ100円。「こんなに美味しそうな弁当が、たった100円でできちゃうの?」と、ページをめくるたびに驚きの連続です。
本書によれば、まず以下の「5つの秘策」を実践することで、ほぼ100円の弁当が作れると言います。
■その1・「お助け食材」を使い回す!
比較的お手頃価格の食材を中心に、毎日のおかずをローテーション。肉なら豚こま、魚なら塩さば、野菜ならキャベツ、卵や豆腐などが代表メンバーです
■その2・「ジャンボパック」がお得です!
多くのスーパーで、鶏肉や豚こまなど、少量パックのものより、大量パックのもののほうが100g当たりの値段が安く売られています。これからは迷わずジャンボパックを選びましょう。
■その3・まとめて下ごしらえをする!
食材を安く手に入れても、使いきれなかったら元も子もありません。そんなムダを防ぐには、買ってきたらすぐに下ごしらえをしてしまうこと。簡単でおいしい下ごしらえの方法は、この本にお任せください。
■その4・小分けして保存する!
これも「下ごしらえ」のひとつですが、肉や魚は1回分ずつラップで包むなどし、冷凍・冷蔵保存しましょう。使い勝手がいいですし、1回分の予算管理にも便利です。
■その5・のっけ弁当を基本とする!
お弁当箱全体にご飯を詰めて、おかずをその上にのっけていきます。どんぶりスタイルですね。こうすれば、おかずを何品も作る必要がないので、予算も作る手間も減ります。
これら「5つの秘策」を前提に、本書では、「肉」「魚」「卵と豆腐」といった大きく3カテゴリーに分け、それぞれの下ごしらえ例と合わせて、これを活用した「100円弁当」のビジュアルとレシピを紹介しています。
それぞれの具材の下ごしらえ例と、「保存の目安」が紹介されています
気になる「100円のっけ盛り弁当」とは!?
ここからは「肉」「魚」「卵と豆腐」の各カテゴリーの「100円のっけ盛り弁当」を見ていきましょう。いずれも「5つの秘策」で触れた「下ごしらえした素材」を使うことで、100円というコスパ抜群の弁当を作ることができます
■(肉)焼き鳥弁当
<材料>
・鶏むね肉のしょうゆ漬け……1/4枚分
・長ねぎ……4cm
<作り方>
(1)長ねぎは半分に切る
(2)鶏むね肉のしょうゆ漬け、長ねぎをオーブントースターで7〜8分焼いて火を通し、串に刺す
※にんじんのおひたし、ゆでブロッコリーを添える
■(魚)焼きさけ弁当
<材料>
・塩さけ……1/2切
・かつお削り節……適量
・焼きのり……1/2枚
<作り方>
(1)塩さけ1/2切れを魚焼きグリルでこんがりと焼く
(2)ごはんにかつお削り節、しょうゆを散らし、焼きのり1/2枚を敷いて塩さけをのせる
※キャベツの塩炒め、小松菜とちくわの和え物を添える
(卵と豆腐)オムライス弁当
<材料(卵)>
・卵……1コ
・塩……少々
・こしょう……少々
・サラダ油……大さじ1
<材料(チキンライス)>
・ごはん……150g
・鶏ひき肉こしょうそぼろ……20g
・玉ねぎのみじん切り……1/10コ分
・塩……少々
・こしょう……少々
・ケチャップ……大さじ1
<作り方>
(1) 卵は溶きほぐし、塩こしょうを加える。フライパンにサラダ油を中火で熱し、薄焼き卵を作って取り出す
(2) チキンライスを作る。(1)のフライパンに玉ねぎ、鶏ひき肉黒こしょうそぼろを入れて中火で炒め、塩、こしょう、ケチャップを加えて炒め炒め合わせる
(3) (2)のチキンライスの上に(1)を乗せる
※キャベツとにんじんのコールスロー、ゆでブロッコリーを添える
「100円」以内で収めるコツはやはり「下ごしらえ」にあった!
ここまでのレシピを見ると、やはり「100円ののっけ盛り弁当」を実現するには「下ごしらえ」が大切であることがよく伝わってきます。各素材の「下ごしらえ」術は本書にかなり詳しく紹介されていますので、ぜひ本書を手にとりそのコツを覚えると良いでしょう。
最後に、この画期的なレシピ本の刊行の経緯と思いについて、担当編集者に聞きました。
「物価高が家計を直撃していますが、もう節約できるところといったら食費くらいしかないのでは?
もちろん、毎日のランチに外食なんて、できません。コンビニ弁当も毎日だとばかにならない。そこで手作りのお弁当を……となるわけですが、油断していると、意外に食材費がかかってしまうことも。
そこで、『食材費が100円で収まるお弁当』を提案できたらよろこばれるのでは、と考えた次第です。
また、『100円だから』といって“ショボイ”お弁当では悲しくなってしまう。そこは『のっけ盛り』にすることで、見た目もボリュームも大満足のお弁当ばかりを紹介できました。
物価高はまだまだ続きそうです。食は健康にも直結します。『100円のお弁当』で節約しつつも、おいしくしっかりと食べて毎日楽しく乗りきりましょう!」(担当編集者)