業務用の商品を取りそろえている業務スーパー。一般のお客さんでも買えるが、お得すぎる価格に「品質は大丈夫?」と疑心暗鬼になっている人もいるようだ。しかし、食わず嫌いのように敬遠するのはもったいない。なぜ安いのか、一般のスーパーで働いていた経験をふまえながら探ってみよう。
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業務スーパーの売り場を見て一目瞭然に分かるのは、一般のスーパーとは商品の構成がまるで異なることと、陳列方法や売り場のつくり方が独特だということ。
業務スーパーで扱われる商品の特徴は、下記の通り。
・安価で量が多い
・オリジナルブランド商品もある
・原則として生鮮食料品は扱わない(店舗によっては扱っている)
・海外からの輸入品が多い
・冷凍食品が多い
業務スーパーで扱う商品のほとんどが業務用で、安価で量が多い。ただでさえ安いのに、さらに値下げした特売情報をWEB発信している。これは、ある日の関西圏での特売情報である。
・炭酸水1リットル59円
・ちくわ5本入り48円
・麦茶ティーバッグ(8g×54袋)145円
■出典:業務スーパー https://www.gyomusuper.jp/index.php
ほかにも、小売価格で牛乳1リットル149円、レトルトカレー1パック78円、豆腐3個パック81円など。
これだけ安いのには、それなりの理由がある。第一に、海外からコンテナ単位でまとめ買いしていること。第二に、自社工場で原料から加工している。第三に、メーカーから直接仕入れるから中間マージンをカットできる。第四に、紙の広告を廃止してWEBで特売情報を配信する。このように徹底したコスト削減を行っているから、低価格での販売が可能なのだ。
では、業務スーパーの売り場は実際どうなっているのか、一般のスーパーとどう違うのだろうか。
大阪市南部にある、中規模の店舗を訪れてみた。一般のスーパーとの唯一の共通点は、入口付近に置かれた野菜類だ。もっとも、スペースは狭く、大根、ニンジン、ジャガイモ、キャベツ、白菜など、使用頻度が高いと思われる品目だけで、色とりどりの野菜を選び放題という様子ではないものの鮮度は良い。
野菜売り場を抜けると酒類が並び、その奥に肉類、その横に調味料の棚、つづいて壁際に設置された商品棚に味付け海苔、パスタ、食用油、缶詰がぎっしり並んでいる。フロアには巨大な冷凍庫が3列並んでいて、肉、魚、野菜、焼きおにぎり、焼きそば、スィーツなど、およそ冷凍できる食品は網羅されている。
缶詰やパンなどのようにバラ売りされている商品はあるけれども、ほとんどの商品はパッケージ単位やボトル類で「kg」「リットル」単位の販売である。商品によっては、仕入れた段ボールケースに入ったまま置かれている。一般のスーパーみたいに、売り場の動線が考慮されている様子も伺えない。買い物を楽しむというより、買いたいものだけを買ってさっさと帰るという構造だ。
よけいなコストを徹底して削減していることで、ある意味「ぶっきらぼう」な印象さえ受ける店内だが、量を多く安く買えればいいという人にはお勧めかもしれない。
もっとも海外からの輸入品が多いので、国産の商品にこだわる人は、表示をよく確認したほうがいい。