寒い冬は温度差による血圧変動が起こりやすく、注意したいのが「ヒートショック」です。一歩間違えば命にもかかわる危険性があります。令和元年の厚生労働省調べでは風呂場でのヒートショックなど入浴事故による死者は1年に4900人以上だとか。寒い季節はとくに注意が必要です。
寒い冬は入浴やトイレ中の「ヒートショック」に要注意
寒くなると注意したのが、外だけでなく、建物内の温度差。家の中でも場所によってはかなりの温度差があります。そして、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動し、心臓や血管の疾患が引き起こされやすくなります。これが「ヒートショック」です。
ヒートショックが起こりやすい場所は風呂場です。冬は入浴中に亡くなる人の原因の多くがヒートショックだといわれています。お風呂は1日の疲れを癒す場ですが、脱衣場所と浴室内、あるいは洗い場と湯船との温度差で、ヒートショックを起こす危険性大なのです。
冷えた脱衣室から浴室に移動し、いきなり熱いシャワーや湯船に入るなど、今までなにげなくしていた入浴が実はとても危ないのです。中には、血圧の変動などで意識を失い、浴槽で溺死する事故も起こっています。
注意が必要なのは浴室だけではありません。近年、トイレでヒートショックを引き起こす人も少なくありません。また、暖かい室内から寒い廊下へ移動した際に起こることもあります。
「ヒートショック予報」も出される冬。対策はしっかりと
気象予測情報にもとづく家の中でのヒートショックのリスクの目安「ヒートショック予報」を一般社団法人日本気象協会が出しています。ご存知でしたか?この「ヒートショック予報」も参考にしながら、対策も忘れずにしましょう。
①脱衣室やトイレは暖かくしておきたい
血圧の変動を防ぐには脱衣所やトイレなどは入る前には暖かくしておきたいものです。浴室は入浴の少し前には浴槽のフタを開けて、湯気を回して浴室を暖めてはいかがですか。脱衣所も暖房などで暖かくしておきたいですね。
②湯温は熱過ぎないこと
湯温は適温で。浴槽のフタを開けておくと、湯温も少し下がります。熱すぎると、冷えた体には要注意です。
③飲酒後の入浴はNG
飲酒すると血圧が下がり、入浴すると血管が拡張し、さらに血圧は下がるので、脳卒中などを起こす危険性があります。
④入浴前に血圧測定を
血圧が高くて体調が悪くても気付きにくいことがあります。
⑤体調が悪い時は入浴NG
体調が悪かったり、疲れ過ぎていたりする時の入浴は避けましょう。
⑥長湯は禁物
長湯や高温での入浴は「のぼせ」や「湯あたり」につながります。体が暖まりすぎて血管が広がり、血圧が低下して体調不良が置きやすくなります。
⑦入浴前後には水分補給
入浴中には水分が失われがちです。入浴前と入後には水分補給をしましょう。