インターネットリサーチ事業を展開する GMOリサーチ株式会社が、東アジア、ASEAN地域各国の20~69歳の男女3328人に「海外旅行に関する意識調査」をしたところ、「近い将来もっとも行きたい国」の第1位は日本でした。また、日本の伝統文化体験に加え、ポップカルチャー体験や農山漁村体験への関心が高まっていることが分かったそうです。
2022年10月に実施した調査で、調査対象は日本・中国・韓国・香港・インドネシア・シンガポール・タイ・フィリピン・ベトナム・マレーシアとなっています。
最初に、近い将来もっとも行きたい国を聞いたところ、日本以外の9カ国・地域すべてにおいて日本が1位(全体平均21.5%)という結果になりました。「日本」と答えた割合が高かった国・地域は香港(43.8%)、タイ(35.2%)、中国(25.8%)、シンガポール(22.1%)でした。
日本を選んだ理由について見ていくと、「伝統料理・郷土料理を味わいたい」(20.0%)、「独自の文化を体験したい」(19.7%)、「観光名所が多い」(16.3%)、「土地ならではの自然景観を楽しめる」(12.6%)が上位だったほか、「治安が安定している」(5.1%)、「出入国制限が解除された」(4.7%)といった回答も見られたそうです。
次に、訪日旅行の検討時期に関して聞いたところ、東アジアでは「2023年3月まで」(22.6%)、「2023年8月まで」(20%)が多い一方で、ASEANでは「未定」(35.1%)、「2024年以降」(19.9%)といった慎重な回答が多く、中国、韓国、香港などの日本に近い国・地域の人が訪日旅行をより現実的に検討していると考えられるといいます。
また、近い将来日本に行く予定がある・行きたいと思っていると回答した人に、今後日本を訪れたらどんな体験をしたいかと聞いたところ、全体で「日本食を楽しむ」(64.7%)、「自然・景勝地の観光」(58.3%)、「四季を体感(桜、紅葉、雪など)」(57.1%)、「温泉」(48.2%)、「ショッピング」(44.2%)が上位5位という結果になりました。6位以降の順位を見ると、中国、香港、ベトナムでは「日本のポップカルチャー」「アニメ」、インドネシア、フィリピンでは「テーマパーク」、ASEANの国々では「農山漁村体験」「ウィンタースポーツ」への関心が高い結果となったそうです。
最後に、日本での消費意欲を聞いたところ、中国、韓国、香港、シンガポール、ベトナムでは半数以上が「消費意欲が高い」(非常に高い・やや高いを合算)と回答しました。また、訪日旅行時の消費予算(渡航費・宿泊費を除く)に関しては、全体では「20万円~30万円未満」(23.4%)が最も多く、続いて「10万円~15万円未満」「15万円~20万円未満」(同率18.1%)が多い一方、中国(47.1%)やシンガポール(54.4%)は「30万円以上」(30万円~50万円未満、50万円以上を合算)の回答が約半数を占める結果となりました。
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調査を行った同社は、「日本食や自然、景勝地の観光は日本を訪れる強い要因となっており、さらに日本のカルチャーとして根付いたアニメやテーマパークなどエンターテインメントへの需要もうかがえる結果となりました」と述べ、「観光地については東京、大阪、京都といったゴールデンルートは引き続き安定して人気がありますが、今後は地方都市の観光資源や魅力を積極的にアピールして認知度向上を図るとともに、多言語化などの受け入れ体制の整備を促進し、いかに日本ファンを増やしてリピーターを獲得していけるかがインバウンド成功の鍵となる」と分析しています。