近年は物価高騰などを背景に転職をした、または検討する人が増加していると聞きます。そこで、全国の社会人351人に転職について調査をしたところ、約7割の人が「転職の経験がある」と回答しました。また、年収が500万円を超える人では7割以上と、年収が高いほど「転職経験あり」の割合が高くなっていることが分かったそうです。
キャリアや就職・転職全般に関する各種調査などを行う『Job総研』を運営する株式会社ライボが「2022年 転職の実態調査」と題して、20人~1000人以上規模の会社に所属し、1年以内~10年以上勤務している20~50代の社会人男女を対象に2022年10月に実施した調査です。
はじめに、「転職の経験」について聞いたところ、68.4%の人が「経験あり」と回答しました。これを役職別でみると、「課長レベル」(84.4%)が最多に。次いで、「部長レベル」(80.0%)、「係長レベル」(76.7%)と続き、中間管理職の転職経験者が上位3つを占めました。
また、年収区分別では、「1000万円以上」(87.9%)が最多となったほか、「700~1000万円未満」(75.9%)、「500~700万円未満」(74.7%)、「0~300万円未満」(58.3%)と続き、年収が高いほど転職経験者の割合が多い結果になっていたそうです。
続いて、「転職経験あり」と回答した240人に「コロナ禍が影響して転職を検討しましたか」と聞いたところ、「影響した」(27.5%)と「どちらかといえば影響した」(18.8%)を合わせて46.3%の人が「影響した」と回答しました。
また、「直近で転職した時期」については、「1~2年内」(18.7%)、「5年以上経っている」(16.2%)、「6~12カ月内」(14.6%)という結果に。なお、コロナ禍で転職したことになる「2年以内」と回答したのは58.3%、「3年以内」では72.1%だったそうです。
次に、「これまでの転職回数」を聞いたところ、「1回」(31.3%)、「2回」(26.2%)、「3回」(17.9%)と続き、これらを合わせると75.4%の人が「3回以内」という結果になり、「4回以上」と回答した人は24.6%で、そのうち「6回以上」と回答したのは10.8%でした。
役職別でみると、転職の平均回数の最多は「部長レベル」の4.42回、次いで、「課長レベル」が3.78回、「役員」が3.67回となりました。また、年収区分別では、「1000万円以上」が3.69回、「700~1,000万円未満」が2.82回、「300~500万円未満」が2.69回だったそうです。
最後に、「今後転職を検討していますか」と聞いたところ、「検討している」(28.6%)と「どちらかといえばしている」(24.0%)を合わせて52.6%の人が「転職を検討している」と回答。
また、「転職を検討している」と回答した185人に「転職を始めようと思う時期」を聞いたところ、「1〜2年内」(21.6%)、「1ヶ月内」(20.6%)、「2〜3年内」(14.6%)と続き、これらを合わせると52.5%の人が「1年内」と回答したそうです。
今後の転職について役職別でみると、「部長レベル」(66.7%)、「課長レベル」(59.4%)、「係長レベル」(56.7%)と続きました。また、年収区分別では、「500~700万円未満」(60.5%)、「300~500万円未満」(56.0%)、「300万円未満」(53.2%)という結果になっていたそうです。
なお、転職について回答者からは「雇用種類も多様になってきたので、今後転職がより一般的なものになっていくと思う」「転職でリセットがいつでもできると考えれば現職への気の持ちようも楽になる」「より良い環境を求めて転職するのは今の時代普通のことだと思う」といったポジティブなコメントがみられたといいます。
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調査を実施した同社は「今後の日本では年功序列からJob型に変革するという岸田内閣の所信表明からも、今後の人事評価や雇用体系がさらに変化していくことから、人材の流動にも大きな影響を与えることが予測でき、転職や副業などの動きがさらに活発になりそうです」と述べています。