「早期リタイア」「アーリーリタイア」は今までの日本ではあまり馴染みのない考え方でしたが、経済的自立と早期リタイアを指す「FIRE」という考え方が広まったことに合わせて、特に若い世代から注目を集めているといいます。全国の早期リタイアをした男女1019人に「リタイア時の総資産」を聞いたところ、約4割の人が「2000万円未満」と回答しました。また、リタイア前の給与以外の主な収入源は、4割以上の人が「株式投資」と回答したそうです。
株式会社LENDEXが「早期リタイアと資産形成に関する調査」として2022年5月に実施したインターネット調査です。
はじめに、「社会人として働き始めてからリタイア(もしくは独立)するまでにかかった年数」を聞いたところ、「15年~20年未満」(25.8%)、「20年~25年未満」(24.4%)、「5年~10年未満」(17.5%)と続きました。
また、「リタイア時の総資産」については、「2000万円未満」(42.2%)、「2000万円~2999万円」(14.6%)、「5000万円~5999万円」(13.1%)と続きました。「5000万円以上」と回答した人は26.0%で、調査した同社は「潤沢な資産を持つ方は上位を占めておらず、平均的な貯蓄額でリタイアを決めた方が多いことが分かります」と述べています。
また「リタイア前の給与以外の主な収入源」を聞いたところ、「株式投資」(46.3%)、「不動産投資」(26.5%)、「副業(アルバイト、クラウドソーシングなど)」(24.7%)と続き、給与以外にある程度安定した収入が得られていることが、早期リタイアという選択肢に繋がっていることが窺えたそうです。
また、リタイア前の資産形成のやり方については以下のような声が寄せられたそうです。
▽外国債やFXなどある程度ハイリスクハイリターンのものを選択(40代男性/埼玉県)
▽無駄遣いをしない、必要な投資はする(50代男性/東京都)
▽収入の90%を資産運用に(50代女性/東京都)
▽本業と並行して、投資収入を確保するように長期間取り組んでいる(50代男性/神奈川県)
なお、「現在の主な収入源」については、「株式投資」(50.4%)、「不動産投資」(32.4%)、「FX」(17.1%)』と続き、リタイア後も、資産運用を行いながら生計を立てている人が多いことがわかりました。また、現在の収入源や資産形成のやり方については、以下のような声が寄せられたそうです。
▽マンション経営(40代男性/北海道)
▽コツコツやってきた株を真剣に取り組んでいる(50代男性/東京都)
▽株主配当が多い銘柄を多数保有(50代男性/大阪府)
▽キャピタルゲインを狙った投資(50代男性/福岡県)
続いて、「リタイア前に投資していた資産は現在どうしていますか」と聞いたところ、「引き続き保有しており、しばらく売却する予定はない」(34.3%)、「既に売却し、新たな投資のために活用した」(22.3%)、「既に売却し、貯蓄している」(21.6%)と続きました。
最後に、「現在所有している資産」について聞いたところ、「国内株式」(60.2%)、「投資信託」(41.9%)、「外国株式」(38.4%)と続きました。また、「リタイア前に投資していた資産によって、リタイア後に利益は得られましたか」と聞いたところ、80.3%の人が「利益を得られた」と回答。実際に老後まで安心できるような潤沢な資産を持っていなくても、正しく判断できる能力さえあれば、リタイア前の資金だけでも利益を得られていることが窺えたといいます。
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調査を行なった同社は、「不労所得によって得た利益を活かしてゆっくり過ごしたいとの憧れを実現するためには、様々な資産形成の可能性を広げていくことがカギになるかもしれません」と説明。「現在の資産を上手く運用していくことはもちろんのこと、老後まで生活に困らない毎日を過ごせるよう様々な可能性を考えてみてはいかがでしょうか」と述べています。