みなさんは、かぜをひいた際に仕事や学校・家事で休みを取れていますか。直近1年以内にかぜ症状を経験した全国の20~60代の男女1000人に調査をしたところ、約2割の人がコロナ禍の経験から、かぜをひいた際に「休みやすくなった」と回答しました。その一方で、約2割の人が「休みたいのに休めない」と回答していたそうです。
アリナミン製薬株式会社が2022年8月に「かぜの意識・対処調査」と題して実施した調査です。
はじめに、「昨今のコロナウイルス感染拡大などの社会環境変化により、かぜ等の体調不良時の休暇取得の変化」について聞いたところ、「休暇の取りやすさは変わらない」(68.6%)が最多だったものの、23.2%の人が「休暇が取りやすくなった」と回答しており、その理由としては、「職場が休むことを推奨しているから」(60.9%)や「休むことへの周りの理解が高まったから」(51.3%)など、職場の制度としても周囲の空気感としても一定数、休みやすくなっていることがうかがえたそうです。
次に、かぜをひいたときに仕事や学校・家事を「休みたい/休みたくない」、「休める環境にある/休める環境にない」を調査したところ、72.0%の人が「休みたい」と回答。一方で、「休みたい」と回答した人の23.4%が「休みたいのに休めない」と回答していたそうです。
また、「かぜをひいたときに休みたい理由」を聞いたところ、「身体がつらい・しんどいから」(75.3%)、「休んだほうがかぜが早く治ると思うから」(56.3%)、「他の人にうつしたくないから」(51.0%)、「症状が悪化してしまうから」(50.7%)、「周囲の迷惑になると思うから」(47.2%)と続き、休むことが早期回復につながる意識や、周囲への配慮が上位に挙げられたそうです。
一方、「休めない理由」について、「代わりにやってくれる人がいないから」(53.0%)、「周囲の人に迷惑をかけたくないから」(32.7%)、「人手が足りないから」(31.2%)などのほか、「急に休暇を取ることができないから」(25.1%)、「休んだ分収入が減るから」(19.1%)などの休暇取得制度や収入保障などのハード面に関する理由や、「職場の雰囲気が『かぜ程度では休まない』という空気感であるため」(16.6%)という周囲を考慮した回答も多く見られたといいます。
最後に、「かぜをひいたときの対処方法」をかぜのステージ別に聞いたところ、かぜのひき始め〜ピーク後は「夜、いつもよりたくさん寝る」人が4~5割。「日中、活動せず寝る」「仕事や学校、家事などを休む」と回答した人はかぜのピーク時でも3割程度となり、仕事や家事に影響の少ない夜に休息をとることでかぜに対処する人が多いことがうかがえたそうです。
◇ ◇
調査を実施した同社は「かぜの治し方として重要なことは、自分の免疫力を高めて対処することです。また、かぜからの回復を早めるためには余分な体力の消費を抑え、『体を休ませること』も大切です」と説明。
さらに、「かぜをひいたときに安心して休むためには、急なかぜのときでも仕事や家事などがまわる体制や制度・保障の構築と、かぜで休む人が後ろめたい気持ちを持たないような周囲の空気感の醸成が必要だといえそうです」とも述べています。