静岡県牧之原市にある認定こども園「川崎幼稚園」で今月5日、3歳の女の子が駐車場に止められた通園バスにおよそ5時間にわたって取り残され、熱中症で亡くなりました。事件の痛ましさとともに施設側のずさんな対応に注目されています。安全管理の見直しはもちろん必要ですが、保護者が普段からできることはあるのでしょうか。子育て中というTwitterユーザーのヤコンヌ(@yaco1981)さんが公開したイラストが10万超のいいねを集めて共感を呼んでいます。
「送迎バス置き去りのニュースが本当に辛くて辛くて、何か少しでも出来ることはないかと考え、クラクションのイラストを描きました 車内に置いたり、お子さんに見せてもらったり、話題にするきっかけになったり共有して貰えたら嬉しいです」と公開したイラスト。ハンドルにあるラッパマークを推し続ける男の子を描き、「車にとじこめられたらクラクションをならして!!」とメッセージを添えたイラストは広く拡散しました。
「このイラストを参考にしながら『大事なお話だよ』と、娘に聞いてもらいました。うちは保育園だから、バスは使わないけど、何かしらで車を利用した際や、運転手が具合悪くなったとか、不可抗力で閉じ込められた時は、必ずクラクションで知らせてね、と。真剣に聞いてくれました」
「お話しするのも大事、何度か練習させるのも必要。中学生の娘にも『閉じ込められたらどうする?』って聞いてみたら、本人まだ運転しないし親もクラクション鳴らす場面滅多に無いから『クラクション鳴らす』って思いつくまでだいぶ時間かかった。園でも指導してほしい」
「小さな子供さんにはロックの解除より分かり易いですよね、コレは孫にも教えよう」
「私も年少の娘がおり他人事とは思えず、娘とクラクションを鳴らす練習をしました」
など家庭で実践したユーザーが相次いだようです。ヤコンヌさんに聞きました。
ーなぜこのイラストを
「2021年7月にも福岡県で同様に5歳の男の子がバスに取り残され、亡くなってしまいました。その際にTwitterの育児垢界隈では『クラクションを鳴らすことを子供に教えよう』という情報が拡がり、フォロワーさん達とも話題になりました。でもそれは自分の身の回りだけの世界での話でした。また同じことが起こってしまったという悔しい気持ちがあり、もう二度と同じような悲しいニュースは見たくない、何か自分にもできることはないのか?と思って描きました」
ー大きな反響です
「クラクションを鳴らすには結構な力が必要です。押し続けることができなかったり、力の入らないお子さんは、ハンドルに座ったり乗ったりして体重をかけてクラクションを鳴らすのが良いそうです。このイラストはプリントなどで自由に使っていただいても大丈夫です。実際にポスターに印刷して貼ってくださったり園に配ってくださったり、キーホルダー状にしていただいた方もいらっしゃいました」
ーご家庭でも
「息子とも話しました。悲しいニュースを見てそれだけで終わらせず、皆が他人事と決して思わず何か行動する事ができればいいなと思います。もし、日中に子供の送迎バスでクラクションが不自然に鳴っていたら、気にしてほしいです」
福岡や静岡のケースは子どもが置き去りにされましたが、駐車した保護者の車に乗り込み、出られないケースもあります。さらに気温が高い季節は車内熱中症で短時間でも命の危険が伴います。2019年には沖縄県那覇市の住宅敷地内に駐車していた車内で、3歳の女児が倒れているのを母親が発見し、病院に搬送しましたが、亡くなりました。警察は死因を熱中症と発表しました。
クラクションがすべては解決するわけではありませんが、ある程度の年齢の子どもにはクラクションの使い方を伝えることは意義があると思われます。