シングルマザーが家計をその肩に背負い働く上で、お世話になるのが保育園です。「本当は3歳までは自分で育てたい」「生活が苦しいからと辛い思いをさせたくない」みんなそれぞれの思いを抱えて悩みながらも、子どもたちを保育園に通園させているシングルマザーはたくさんいます。そんな中で私の友人はとんでもない保育園に子どもを預けた経験があるそうです。
離婚によって保育園を転園
友人のAちゃん(30代・パート)は中学の同級生。背が高く、艶のある黒髪ボブで大きな目をしたAちゃんに当時の私はとても大人びた印象を持ちました。高校では離れてしまいましたが、その後久しぶりに再会したとき、結婚したという報告を受けました。
Aちゃんは、高校生のときに出会った男性と20代後半で結婚。月日が経ち、Aちゃんは2人の女の子を授かり、順風満帆に暮らしていると思っていたのですが、小さな出来事がきっかけとなりAちゃんは離婚。2人の娘を引き取りアパートで生活を始めました。
当時通っていた保育園は離婚の都合で次女は年中の4月から新しい保育園に転園することに。「新しくできた保育園だし、娘も楽しみにしてるんだよね」と話していたのを覚えています。
保育園「娘を通わせているのが心配になってしまって…」
心機一転で通園しはじめた保育園。しかし、夏を待たずに「なんだか不安になることがあるの。これどう思う?」とAちゃんから連絡がありました。
話を聞いてみると、「保護者にはなんの連絡もなく、給食が突如変更になったのに(食パン2枚と牛乳のみ)事後報告もないの」「子どもたちが遊ぶ自由時間には保育士から園児に『ママには内緒だよ』とゲーム機やタブレットを渡したり、DVDを流しっぱなしにされている」と耳を疑うような話が。
その間、保育士はなにをしているの?と聞くと、「子どもたちが居ない空き教室で、保育士は喫煙したり休憩してるらしいの。先日は虐待騒動もあったし。娘を通わせているのが心配になってしまって…でも、また転園させるのも娘の負担にならないかな?」ととても悩んでいる様子でした。
「一度、行政に相談してみたらいいよ。できれば何人かで行った方がいいと思う」と、アドバイスすると、「ママ友に相談してみる」と言っていました。
子どものために立ち上がる
子どものために立ち上がった友人Aちゃんとママ友達。まずは保育園からの説明を要求しました。
しかし、園の責任者はのらりくらりとかわすだけではっきりとした説明は秋になってもありませんでした。
そのため、ママ友と行政に相談し見回り・指導をしてもらうことに。しかし、その間も転園していく子が後を絶たなかったそうです。
「再度の転園は娘につらい思いをさせてしまうのでは」「しかし、環境の悪い保育園にいるのもまたつらいのでは」さまざまな思いが交差したAちゃんでしたが、秋も終わりにさしかかった頃、再転園をすることに。
せめて娘に寂しい思いをさせないようにと、転園先は娘と小学校が同じ子どもが多い園にしたそうです。
再転園後、Aちゃんと話す機会があり様子を聞いてみると、「あのときとても迷ったけど、転園させてよかった。いまは楽しそうに通っているよ」と笑顔で話していました。
大切な我が子を信頼できる保育園に通わせることは、親にとっても子どもにとっても大事なことだと感じた一件でした。