賃金が増加したのは…「非正規よりも正規」「平均年収の低い業種よりも高い業種」 1万3745人調査

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株式会社パーソル総合研究所は、このほど全国の18〜69歳の働く男女を対象とした「賃金に関する調査」の調査結果を発表しました。同調査によると、非正規雇用者に比べて正規雇用者のほうが、前年(2021年)に比べ賃金が「増加した」と回答した割合が高くなっていたそうです。また、業種では平均年収の高い「情報通信業」で賃金の増加割合が多かった一方で、平均年収の低い「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」では少ない傾向がうかがえたそうです。

2022年5月に実施された調査で、正規の社員・職員(自営業者・フリーランスを除く)8383人、パート・アルバイト3358人、派遣社員337人、契約・嘱託社員989人、会社・団体の役員678人の計1万3745人から回答を得たといいます。

はじめに、勤務先と雇用形態が変わらなかった人に「前年(2021年)に比べ賃金がどのように変化したか」を聞いたところ、「増加」と回答した人が最も多いのは「正規の社員・職員」(44.6%)でした。次いで、非正規雇用者の「パート・アルバイト」(33.5%)、「契約・嘱託社員」(30.3%)、「派遣社員」(27.8%)と続き、非正規雇用者に比べて、正規雇用者のほうが、賃金が増加した人の割合が多いことがわかりました。

賃金の変化を業種別でみると、平均年収の高い「情報通信業」で賃金が増加した人の割合が多いのに対し、平均年収の低い「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」では少ない傾向がうかがえたといいます。

また、職種別にみても、「経営企画」「商品企画・マーケティング」など平均年収の高い企画系の職種で多い傾向が見られた一方で、平均年収の低い「飲食・宿泊サービス」「配達・運搬・清掃・包装等」「一般事務・アシスタント」では賃金が増加した人の割合が少なかったそうです。

また、年収階層別に前年からの賃金の増減をみると、正規雇用者では「100~700万円未満」の年収階層において、賃金が増加した人の割合は「100~200万円未満」の35.3%から「500~700万円未満」では51.2%と、年収が高い層ほど賃金が増加した人の割合が多くなっていたそうです。

一方で、非正規雇用者では、賃金が増加した人の割合は「100~200万円未満」の34.2%から「500~700万円未満」では17.2%と、年収が低い層ほど賃金が増加した人の割合が多い結果となり、正規雇用の高年収層は収入が伸びていく一方で、非正規雇用者や正規雇用の低収入層は収入が伸び悩む傾向が見て取れたといいます。

さらに、「収入に対する満足度」については「正規の社員・職員」では満足:37.4%・不満:37.0%、「パート・アルバイト」では満足:35.0%・不満:35.7%と、満足と不満が拮抗する結果に。なお、「派遣社員」(満足:24.9%・不満:46.6%)と「契約・嘱託社員」(満足:25.9%・不満:50.4%)では不満が満足を上回り、「会社・団体の役員」(満足:53.7%・不満:22.3%)では満足が不満を上回っていたそうです。

次に、「月間支出」に関しては、世帯年収が高いほど支出は多い傾向に。また、世帯年収700万円以上と300万円未満で最も支出額の差が大きかった費目は「子供の教育費」で、700万円以上の世帯は300万円未満の世帯の4.8倍支出していることが判明し、収入のギャップが子供の教育に影響することがうかがえる結果となりました。

これを賃金の増減別にみると、賃金が増加した人のほうが全般的に支出の多い傾向にあり、特に「自己啓発・学習費」と「娯楽費」で支出額の差が大きく、いずれも賃金が増加した人は減少した人の1.3倍の額を支出していたといいます。

【出典】
▽パーソル総合研究所/賃金に関する調査
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/wage-survey.html

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