夜に遭遇したくないかかし pic.twitter.com/ykz0HI8euC
— 米処新潟 稲作専業農家 おむすびまん (@magokoro358) August 1, 2022
「夜に遭遇したくないかかし」と、投稿された世にも奇妙なかかしの写真を紹介したツイートが話題です。
写真を公開したのは、新潟市で稲作専業農家をしながら、ラジオやYouTubeへの出演、SNSなどを通じて米農家への想いを発信されている、まごころ村・おむすびまんこと長谷川真也さん(@magokoro358)。
写真には、ナースの制服を着て、マスクをし、ぽつりと立っている女性が写っています。いや、立っているというより…浮いている!? そしてよく見ると、これは作り物であると分かります。ナースの女性を模したかかしなのですね。浮いているように見えるのも、実は棒で固定されているからです。
しかし、それにしてもリアルすぎます。長谷川さんの言うように、夜にうっかり見てしまおうものなら、本物の幽霊と勘違いして心臓が止まりそうになってしまいそうですね(笑)。
ツイートのリプ欄にも、驚愕のコメントが続出。
「これは卒倒確実ですね」
「浮いてるから余計に怖いです」
「夜に発光していたらなお怖そう」
ほかにも、「い、いっしゅん、林檎さんかと・・」「約束は要らないわ〜 と聞こえる」というように、妖艶なナース姿のMVが印象的な椎名林檎さんの楽曲『本能』を思い浮かべる人や、「これ最近問題になっている桃泥棒にも効果あるんじゃないかな」という方もいたりと、さまざまな声が寄せられています。
実は地元の企画で展示されている、かかしだった
長谷川さんが公開したナース姿のかかし。一体なぜ、このような案山子が設置されているのでしょうか。
実は、このかかしは、燕第一地区まちづくり協議会が実施し、新潟県燕市小池地区にて行われる「みんなでつくる案山子勢揃い」という地域企画で制作されたもの。
地域の方々が、その年に話題になった人など、ご時世にちなんだかかしを制作。毎年、個性豊かなかかしがずらりと並びます。
実は、例のナースのかかしも決して怖さを追求したものではなく、本来はコロナに携わる看護師さんに対しての感謝の気持ちで作られたもの。タイトルも「笑顔で頑張るナース」。意外にも、マスクの内側には、天使のような穏やかな微笑みが浮かべられていたのですね。
長谷川さんは、このかかしについて、自身のブログでも紹介。「私が変な切り取り方をしてしまったのでこんなことになってしまいました」と、Twitterで拡散されてしまったことを後悔している様子でした。
しかし、そのうえで、「これをキッカケにこのかかしの展示会、各地のかかしのある風景、また、かかしを支える私達瑞穂の国の稲作の文化にスポットがあたっていってくれることは嬉しいことです」と同じ新潟県民かつ農業に携わる立場として、喜びも表現されています。
長谷川さんに聞きました。
――今回、燕市を訪れたのは?
長谷川さん:私はお隣の新潟市に住んでいるのですが、燕市での素晴らしいかかしが今年も展示されている頃かなと思い、観に行きました。
――やはり、展示を見るためだったのですね。話題となったナースのかかしですが、椎名林檎さんの『本能』を思い出させるなどの反響もありました。長谷川さん自身の印象は?
長谷川さん:そのままナースに見えましたが、これは夜に遭遇したくないなと思えるくらいにリアルに表現されていたため、思わず写真に収めました。
――ほかに印象に残ったかかしはありましたか?
長谷川さん:ブログにも書いたのですが、おばあちゃんのかかしです。本当に会場に見に来ている人かと思ったんですよね。近づいたら、かかしでビックリしました。
――今回はTwitterでかかしを紹介して話題になりましたが、長谷川さんは「おむすびまん」としてさまざまなところで発信をされていますね。どのようなことを伝えたいと思われていますか?稲作や米農家に対する思いを教えてください。
長谷川さん:農業はそこで暮らす人々や環境など、さまざまのものが絡み合って成り立っています。衰退産業ともいわれる農業ですが、実は暮らしの豊かさや楽しさ、私達が暮らしていく原点がそこにあると思っています。今回のかかしの文化も、農業とそこに暮らす人々があって、はじめて受け継がれてきたものと思います。それを知ってもらって、お米を食べてもらう。そして、私達もまたお米を作ることが出来る。昨今はお米が主食でなくなってきているとか、円高で肥料や資材の高騰で農業の経営が危ういとか、農業従事者の高齢化とか、担い手の不足だとか、色々といわれていますが、もっとご飯を食べてもらうことで、良い方向に向かう事もあるかと思います。そんな循環ができたら嬉しいなと思っています。
企画についての詳細を地元の人に聞きました
「みんなでつくる案山子勢揃い」の企画について、詳しいお話を燕第一地区まちづくり協議会会長の笹川常夫さんにお聞きしました。
「本企画は今年で14回目の開催となるのですが、もともとは『親子の絆を作ろう』というコンセプトではじまったのです。途中から、より輪を広げようということで、『みんなでつくる』という形になりました」
企画のコンセプトについてこのように語る笹川さん。実際に毎年、子ども会や児童館、自治会といったさまざまな地域団体が参加し、話題のドラマの登場人物やスポーツ選手、政治家、漫画・アニメのキャラクターなどを模したかかしを1カ月ほどかけて制作。展示数は30点ほどにもなるそうです。
また、地域を中心とした企画ながら、最近では市外の方が来られたり、県外ナンバーの車を見る機会も増えているとのこと。
「夏休みやお盆の時期で、帰省されている方もいらっしゃるというのもあり、たくさんの方々に注目してもらえています」(笹川さん)
また、今の時期のかかしの展示に加え、11月から翌年2月ごろにかけては、小池公民館にてイルミネーションの企画も実施。今後も、地域の目玉として、夏季・冬季と分けて両者の催しを続けていきたいと、笹川さんは話されていました。
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燕第一地区まちづくり協議会による「みんなでつくる案山子勢揃い」のかかし展示の期間は、7月31日から8月21日を予定しています。
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