「出棺を10分早めませんか?」 葬儀業者の温かい心遣いに感動の輪が広がる

黒川 裕生 黒川 裕生
感動の輪が広がった一色伸幸さん(@nobuyukiisshiki)のTwitter投稿
感動の輪が広がった一色伸幸さん(@nobuyukiisshiki)のTwitter投稿

映画「私をスキーに連れてって」やTVアニメ「宇宙船サジタリウス」などで知られる脚本家で小説家の一色伸幸さん(@nobuyukiisshiki)が今夏、父親の家族葬で経験した出来事をTwitterに投稿し、大きな共感を集めている。葬儀業者に「出棺を10分早めませんか?」と提案され、焼き場に行く前に海岸をドライブしたのだという。亡父が生前、海を題材にした絵をよく描いていたことに気づいた担当者の愛ある心遣いに感動した一色さんは「俺、葬儀屋さんになりたいって、ちょっと思った」と綴っている。

一色さんのtweetによると、父の真幸さんは今年7月、92歳で亡くなった。瀬戸内育ちで、鎌倉に住むようになってからも近くの海でよく写生を楽しんでいたそうだ。最後は5日間入院し、「亡くなる数時間前まで冗談を言い、眠るように去った」という。

一色さんは葬儀の日のことをこう振り返る。

「葬儀屋さんがふいに、『出棺を10分早めませんか?』と。『お父様の描いた水彩画を見てると、海の絵が多い。焼き場に行く前に海に行きましょう』父の棺を乗せた車で、材木座海岸をドライブ。忘れられない時間になった。」

「どんな仕事でも、決め手は、愛。」

「葬儀屋さんに思い入れも興味もなかったんだけど、彼の『仕事』を見ていて、俺、葬儀屋になりたいって、ちょっと思った。周りにそういうふうに思わせるのが、本当のプロなんだと思う」

遠回りをして海沿いの道を走り、真幸さんに「今生へのお別れ」をしてもらおう、という葬儀業者の温かな心遣いを紹介した一色さんのこのtweetには、「葬儀屋さんの粋な心配りと観察眼、素晴らしいですね」というリプライのほか、「自分も同じような経験をしたことがあります」といった声が続々と寄せられている。

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