黒猫のくろさん(当時、推定2歳)とX(旧Twitter)ユーザーのみけさん・くろさん(@KMS3610)との出会いは、まさに突然のことでした。
2023年6月26日、飼い主さんがリビングでくつろいでいると、隣家の裏手に4匹の子猫と母猫が現れたのです。
「家のまわりで野良猫を見ることはなかったので、とても驚きました。外は暑く、雷雨も多い時期だったため、どうしたものかと悩んだのを覚えています」
その後、保護猫のボランティア活動をしている方と知り合った飼い主さん。7月1日、ボランティアさんの協力を得て子猫4匹を保護しました。逃してしまった母猫もすぐに保護。それが、くろさんだったそうです。
「4匹の子猫はボランティアさんのもとで里親さんとのご縁を待つことに。くろさんは、我が家でお迎えすることを決めました。くろさんは、しばらくのあいだ、子猫を探して鳴き続けて……。その姿がとても切なく、胸が締め付けられる思いでした。当時、我が家には同じく保護後のみけさんも暮らしていましたが、くろさんはとくに気にする様子はなかったです」
こうして、くろさんは新しい家族として迎えられました。
くろさんとの新たな暮らし
くろさんをお迎えした当初、家族は先住猫のみけさんのことを心配したといいます。それまでひとりで暮らしていたため、みけさんのライフスタイルが変わったり、新たな猫をお迎えしたことでさみしい思いをしてしまうのではないかと思ったのです。
「ところが、みけさんはツンデレ女子。塩対応ぶりが幸いし、甘えん坊のくろさんとは程よい距離感で暮らせるようになったのです。家族みな、とてもホッとしました」
くろさんは、当初、食事を一気に食べてしまい、嘔吐することもありましたが、次第に少しずつ食べるように変わりました。
こうして少しずつ新たな生活環境に慣れていったのです。
「お外での暮らしが長かったため、当初は気性が荒いのではないかと心配したこともありました。ところが、実際のくろさんは、とてもおだやかでおとなしい子だったのです。ビーズソファで一緒に座ってべったりとくっ付いて甘えるのが大好き。目が合うと、すぐにのどをゴロゴロと鳴らします。さらに背中をトントンすると、ゴロゴロからブヒブヒと鳴き始めて喜びを表現してくれるのがとても愛おしいです」
また、ともに暮らすなかで、新たな発見も……!
「当初は、黒猫だと思っていたくろさんですが、よく見ると被毛の根元がうっすらと白っぽいことに気づきました。換毛期になると、さらに縞模様がはっきりと現れるように! どうやら黒虎、あるいはブラックスモークタビーに近い毛柄のようです」
今、飼い主さんが抱くくろさんへの思い
くろさんは、今年3歳になりました。
「たったひとりで、厳しい生活環境のなか、子猫を生み育てていたことを考えると、いまだに胸をギュッとつかまれたような感覚になります。これからは、いっぱい甘えさせてあげたい。愛情を注いでいきたいと思っています」
困難を乗り越えたくろさんは、新しい家庭で心穏やかに暮らしています。優しい家族に甘え、愛情を注がれながら、幸せな日々を過ごすことでしょう。