意外と平気なの!?6歳長男の右耳が聞こえなかった!衝撃受けたママの体験漫画が話題「長男さんのポジティブな考え方に救われます」

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

『長男の難聴に気づけなかった話』

とSNSに投稿された忍者ママさん(@mother_ninja_)の漫画が注目を集めています。

忍者ママさんは、今の日常のエピソードや過去の思い出話などのエッセイ漫画を公開され、Instagramのフォロワー数は5万以上という人気のイラストレーター・漫画家です。この6月からはNAPBIZの公式ブロガーとしてブログ「忍者ママの我が生涯に一片の悔い無し」の運営も開始。今回の『長男の難聴に気づけなかった話』は、ブログの連載作品第1弾にもなっています。

漫画の内容は、忍者ママさんの息子さんたちが、まだ幼かった頃の話。

次男・けいぴくんの中耳炎の治療のため、病院に付き添っていた忍者ママさんと長男のそうちくん。聴力検査を受けているけいぴくんを見ながら、「どうして両耳とも検査するの?右耳って何にも聞こえないでしょ?」と、そうちくんは驚くべき発言をします。

忍者ママさんは、試しにそうちくんにも検査を受けさせることに。その結果、本当に右耳が聞こえていないことが発覚しました。

その後、大学病院で精密検査を受け、正式に片耳性難聴の診断が…。右耳の音を感じる器官がまったく機能していない「高度難聴」で、今後も聞こえることはないだろうと、医師から言われてしまいます。

息子6歳にして衝撃の真実――落ち込む忍者ママさんでしたが、本人のそうちくんはあっけらかんとした様子。そうちくんにとっては、その状態が当たり前だったので、今さらショックを受けることもなかったのです。

さらに、医師からも「この世に完璧な人間なんて一人もいませんから」と優しく言われ、「たしかに…この子は右耳が聞こえないだけ」と忍者ママさんは思い直しました。

診断が出て以降も、普通の暮らしを送っている長男さん。

しかし、やはり片耳が聞こえないことによる不都合は時々あるそう。ふとそんな長男さんの状況を見て、忍者ママさんはかわいそうに思うこともあるといいます。しかし、長男さん自身はそれも当たり前のこと。「片耳だとイヤホンから聞こえる音楽の感じが違う」など、本人なりの楽しみ方も見つけながら日々を過ごされていて、そんな長男さんのポジティブさに、忍者ママさんも救われているといいます。

長男さんの片耳性難聴について告白した漫画について、Instagramのコメント欄には、自分も難聴であるという方、難聴である子供を抱える親御さんなども含め、実に多くの読者からの感想が寄せられています。

「素敵なお子さんの言葉になんだか私も救われました」
「私も年長児のときに左耳の失聴が分かりました。―― (中略)――でも当事者的にはこれが普通なので、両耳聞こえる生活ってどんな感じかな?と思うくらいで大して気にしてません」
「私は『母』の立場なので、忍者ママさんの、ふとした時に可哀想に思ってしまう気持ちがよく分かります――(中略)――それでも長男くんのポジティブな考え方には本当に救われますね」

さらに、本編後の「おまけ」では、長男の診断が出た後の親族の反応についても紹介。

漫画本編で医師より、「(長男さんの耳が治ると騙されて)変な壺とか買わないように」と強く忠告されていた忍者ママさん。

ところが、長男さんが難聴であることを親族に打ち明けたところ、忍者ママさんのお母さんはひどく落ち込み、「そうちゃんが可哀想!私がどうにかします!!」と、毎日神だのみをするようになります。

もちろん、その行為は無駄に終わるのですが、必死に祈る実母の姿に、先生の壺の話もあながち間違いじゃなかったと忍者ママさんは感じたといいます。

このエピソードにも、多くのコメントが。

「病院の先生、治りません!とズバッと言うなぁ…と思ってたけど、変なものにすがらないようにっていうアドバイス、いい先生でしたね」
「うちの義母も、お墓に治りますようにといってました。生まれつきなので治りません、て言ったのになぁとなんだか悶々」

生まれつき耳が聞こえないというと、多くの人は大変なことだと感じてしまうでしょうし、ましてやそれが家族や近しい親類となると、なおさら動揺したり悲しんだりしてしまうのは仕方のないことかもしれません。

しかし、本人にとってはそれが普通の状態。大切なことは、そのような人を必要以上に悲しんだりするのではなく、他の人たちと変わらずに接することではないでしょうか。そのうえで、不便を感じそうな場面があれば、さりげなく配慮をしたり手を差し伸べたりする――それが本人にとってもいちばんの助けになるのかもしれませんね。

母である忍者ママさん、そしてご本人である長男さんは、今回の件をどのように感じていらっしゃるのでしょうか。詳しいお話をおうかがいしました。

忍者ママさん「片一方だけしか聴こえていないということが想定外だった」

――長男さんの右耳が聞こえないことが分かったのは6歳の頃だったとのことですが、それ以前に本人の聴こえ方などに関して違和感を感じたことは?

忍者ママさん:時々、聞こえてるのかなーと思う場面はありました。なので、確かめるために何度か本人の耳元でコソコソ話をしたことがあります。そして、ああ、やっぱり聞こえているな、と判断していました。ですが、そのような時、おそらく長男本人は聞こえる方の耳を差し出していたのだと思います。私自身も当時は、聞こえているか聞こえていないかしか考えておらず、片一方だけしか聴こえていないということが想定外でした。

――長男さんの耳が聞こえるようにと、忍者ママさんのお母さまが神頼みをしていますが…。それとは別に、長男さんの耳について取り組もうとされていたことはありましたか?

忍者ママさん:聞こえるようになるための取り組みは特にしておりませんが、人工内耳について調べた事はあります。ですが、人工内耳の手術はけっこう大掛かりのようでしたし、本人も特に不便を感じていなかったようなので、検討の議題にもならなかった感じです。

――お母さまご自身やご家族が普段から長男さんに対して配慮していることや、心がけていることはありますか?

忍者ママさん:長男が子供の頃は、聞こえる耳を大切にしないといけないと思っていたので、すごく大きな音や、耳への衝撃を避けていました。例えば、私たちの住む地域では、お盆に故人を爆竹で盛大にお送りする儀式があるのですが、すごく大きな音がするので、見に行かなくなりました。また、スポーツでも、剣道など耳に衝撃が加わる可能性があるものはさせないようにしました。現在、長男が大人になってからは、食事の時などテーブルでの座り位置を決めていることくらいです。

長男さん「一番だるいと感じるのは、やっぱり話を聞き返すこと」

――右耳が聞こえないことが発覚して、お母さまをはじめ周囲の方々は動揺されていたのに対し、漫画では長男さんはあくまでもあっけらかんとした様子なのが印象的ですね。

長男さん:生まれた時から右耳が聞こえないのが当たり前だったので、自分の中では落ち込んだり、悩んだりすることはなかったです。また、左耳は聞こえていますので、周りの反応も特に変化はなかったです。今では、仲のいい友達とか家族は何も言わずに、左側に立ってくれるのでありがたいです。

――イヤホンでの音楽の聞こえ方が一般の方と異なる、という話が印象的でした。その違いはどのようにして気づかれたのですか?

長男さん:車で音楽を流した時に、いつもイヤホンで聞いている音楽と違ったことがきっかけです。

――他に、片耳が聞こえないことで、周囲の人とは違うな、と思うことなどはありますか?

長男さん:寝る際に聞こえる方の耳を枕に沈めると何にも聞こえなくなって、ぐっすり寝ることができます。ただ、それのせいで、たまに寝坊します。

――普段、当たり前の日常を楽しく過ごされていますが、時には困ったりすることもあるのではと思います。具体的にどのようなことで困ったりしますか?

長男さん:一番だるいと感じるのは、やっぱり「話を聞き返すこと」です。研究の会議や授業では普通に聞き返せるのですが、友達や家族との雑談では、聞き返すほどの内容じゃなかったり、下手に口を挟むと会話のリズムを崩すことになったりするので、意外とフランクな場面の方がやりにくいです。

なお、長男さんの困りごとについては、インスタやブログでも『片耳難聴で困ってる事ランキングベスト3の話』の中で紹介。片耳性難聴の人が感じやすい悩みどころについて、当事者の目線で簡潔に分かりやすく解説されています。

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