希少なグッズやゲーム、チケットなどを購入し、高額で他者に売り渡すことを生業とする通称「転売屋」。6月に発売された人気コラボアイテムも転売屋の餌食となってしまい悲痛なファンの声があがるなか、まさかの事態へと発展しています。
2倍以上の価格設定も…入手困難に転売多発
今「転売」界隈でホットな話題となっているのは、イラストレーター・ナガノ氏による漫画『ちいかわ』と、カジュアルファッションブランド『GU』のコラボ。『ちいかわ』といえば、かわいいふわふわとした絵柄、現実的で意味深な描写のギャップで世代を問わず人気を集める人気キャラクターです。これまでも数々のブランドとタッグを組み、その人気は飛ぶ鳥を落とす勢いの『ちいかわ』が、お手頃アパレルグッズとして登場するとあって、発表時から大きな注目を集めていました。
また、発売前から転売されることを危惧し、「どうせ秒で売り切れて転売される」といった声も。案の定発売日には争奪戦となり、なかでも人気を呼んだルームウェア「ラウンジヘアバンドセット(半袖&ショートパンツ)」は貴重なアイテムとなったよう。フリマサイト「メルカリ」では、定価(2990円)の約3倍である8900円で転売する人も見られました。
転売ページがまさかの…「めちゃくちゃ笑った」
次々とフリマサイトに転売商品がアップされ、高額で購入してしまう人の姿も。しかし各出品ページを覗くと、ファンたちのコメントであふれる意外な光景が広がっていました。
「高額転売…ってコト!?」「ムチャクチャにしてやる!!」などコメント欄に寄せられているのは、作中に登場する通称『ちいかわ構文』といわれる独特な言い回しを文字ったもの。コメント欄の本来の用途である「購入希望」や「値下げ交渉」といった購入意思のある人は少なく、なかにはコメントが300件を超えるページもあり、もはや大喜利会場に。
この様子をツイートした投稿には、「めちゃくちゃ笑った」「『ちいかわ民』もっとやれ!」と賛同する人が多数。「どういう風に通報したらいいですか? 力になりたいです」といった意向をみせる人も現れ、対転売屋へ向けて一致団結しているようです。
全員が転売屋ではない? 賛否両論
一方この現状に対して、「黙って通報すればいいのに、いちいち荒らすところに民度の低さを感じる」と苦言を呈する人も。「サイト側で対処できないからユーザーで阻止してるだけ」と庇う意見もあり、賛否を生んでいます。
また、フリマサイトのなかには4000円ほどでルームウェアを出品しているユーザーも見られ、「販売額から手数料と送料引かれたらほぼ定価じゃん、全員が転売屋なわけないよ」と考える層も一定層いるよう。
限定グッズの転売問題は今回だけでなく、『鬼滅の刃』や『ガンダム』でも数々の議論を起こしてきました。今でも完全に解決されることはなく、「転売屋からは買わないこと」や「定価以上での販売を、発売日から10年は禁じてほしい」など、さまざまな転売対策案がネット上では飛び交っています。販売店舗でもさまざまな工夫が見られる昨今ですが、解決の難しい問題なのかもしれません。