鳩の羽を拾った3歳息子に「手を洗って消毒しようね」と言ったら泣き出した→気持ちを落ち着かせた夫の「声かけ」とは?

太田 浩子 太田 浩子

 登園の途中で、3歳の男の子が鳩の羽を拾いました。鳩の羽には、ハジラミなどの寄生虫がいることが知られています。そのため母親の「くろめ(@chromedium96)」さんは、「鳥の羽にはバイ菌さんがいるから手を洗って消毒しようね」と伝えたところ、男の子は怖くなって泣き出してしまいます。そのとき、男の子を落ち着かせることができた夫さんの声かけがツイッターで話題になりました。

 夫さんが伝えたのは「正しく怖がるのは大事。でも消毒したから大丈夫。正しく怖がって、正しく怖くなくなるのが大事。」でした。

「私はつい『大丈夫だよ、怖くないよ〜!』と言ってしまいがちなので、夫のものの伝え方にはいつも感心する。怖いものは怖い、危ないものは危ない。でもそれぞれにきちんと対策を知ってれば大丈夫。長男にはそういう伝え方がとてもあっている様子。」

とスレッドをつなげたくろめさん。「正しく恐れるって本当に難しいですよね………」「正しく勉強させていただきました」と感謝のリプライが寄せられて、1.9万を超える“いいね”がついています。くろめさんにお話を聞きました。

──「バイ菌さんがいるから手を洗って消毒しようね」は普通に使うと思ったのですが、夫さんの伝え方を聞いてなるほどと思いました。怖いと思うことも正しいのですね。そして、消毒すれば大丈夫なこともしっかり伝えています。

 子どもの気持ちをただ慰めるのではなく、将来につながる深い知識を伝えているな、と驚きました。

 私はつい「大丈夫だよ、怖くないよ〜!」と言ってしまいがちなのですが、夫は子どものショックだった気持ちをしっかり受け止めているからこそ、その気持ちを落ち着かせるためにどういうものの考え方をしたらいいかを伝えられたのだと思います。

──ほかの怖いことも、正しく対処すれば、同じように怖くなくなるということがわかるわけですね。夫さんは、なぜこのような伝え方ができるのだと思われますか?

 夫はいつも子どもの「やりたい気持ち」や「かなしい気持ち」をしっかり受け止めて、そのうえで本気で伝えたいことを話すので、子どもにも通じる話ができるのだと思います。

 夫本人が言うには、4歳くらいからの子ども時代の記憶がしっかりあって、子どもの気持ちが自分ごとのようによくわかるそうです。夫自身が「子どもだから」と大人に手加減した物言いをされることが嫌いだったそうで、子どもにも本質的な知識を与えようとしているようです。「いまは全てが理解できなくても、大きくなってから『そういうことだったのか』とわかる瞬間がきたらいい」とよく話しています。

──子どもと同じ目線に立てるから、どう言ったら納得できるかが想像できるということでしょうか。ものの伝え方にいつも感心すると書かれていました。ほかにどんなことが?

 伝え方とは少し外れるかもしれないのですが、子どもが保育園に行きたくないというとき、夫は「行きたくないのか〜」と気持ちを受け止めて、ただしばらく膝にのせてあげたり、抱きしめてあげることがよくあります。そういうとき、しばらくすると子どものほうが満足して、特に何も言わなくても保育園に行く準備を始めるので驚きます。

──なるほど。くろめさんも、旦那さんに相談されて悩みなどが楽になることがありますか?

 子どもの理不尽なイヤイヤや困った行動があったときに「自分もまったく同じことをしていた…今になってあの頃の親の苦労がわかる…」と夫も頭を抱えているので、思わず笑ってしまって楽になることは多々あります。

 夫自身が子どもの頃は大変頑固で手のかかるお子様で「20歳までにちゃんとすればいい」を合言葉に育てられていたそうで、子どもの問題行動もすぐになんとかしようと目くじら立てなくてもいいか…と長い目で見られます。

 ◇ ◇

 マニュアル通りにしても、なかなかうまくいかない子育て。この方法は、くろめさんがツイートした通り「長男に合った伝え方」でした。子どもみんなが同じようにフィットする魔法の方法はありませんが、子どもの頃の記憶を鮮明にとどめる夫さんの対応を参考にした声かけを試してみてもいいかもしれませんね。

 くろめさんは、毎月30日におすすめ絵本の情報を共有する「#絵本ツイオフ」(@Ehon_twioff)を開催しています。「お子さんの年齢にあわせた絵本を探したい方、新しい絵本に出会いたい方はぜひのぞいてみてください」と呼びかけています。

■絵本ツイオフ https://twitter.com/Ehon_twioff

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