地域の郷土料理や名産品を使用し、その土地ならではの食文化に触れることができる駅弁は、電車旅における醍醐味のひとつ。2024年春に北陸新幹線金沢~敦賀間が開業し、旅先として盛り上がりを見せている福井では、昔から根強い人気の駅弁に加え、新幹線開業に合わせてデビューした駅弁も続々登場し、選択肢も大幅に広がりました。
今回は、福井県公式恐竜ブランドキャラクター「Juratic(以下ジュラチック)」と共に、若狭湾の美しい車窓が楽しめるJR小浜線を旅しながら、カニや鯖、ソースカツなど、福井が誇るグルメの魅力が詰まったおすすめの駅弁をご紹介します。
「人気の駅弁6選」目次
途中下車でちょっとブレイク「小浜駅」から「伊勢屋」
途中下車でちょっとブレイク「若狭本郷駅」から「丸栄菓舗」
サンダーバードに乗る前にちょっとブレイク「敦賀駅」すぐ「中道源蔵茶舗」とお土産探し
その1:福井御膳・竜のめぐみ
北陸新幹線福井・敦賀開業を機に、ご当地駅弁として開発された「竜のめぐみ」。「かにめし」や「ふくいサーモンのマリネ」、「若狭牛しぐれ煮」「ソースかつ」「麩の辛し和え」といった福井の名物料理や郷土料理をギュッと凝縮。恐竜の頭部をイメージした容器は2段重。環境に配慮したバイオマスプラスチックを使用し、弁当箱や小物入れなど2次利用もできます。日本食糧新聞社「惣菜・べんとうグランプリ2025」駅弁・空弁部門で優秀賞を受賞。主要販売駅は敦賀駅、芦原温泉駅、福井駅ほか。価格は1,680円。
◆ 駅弁をもって小浜線に乗ろう!
北陸新幹線とサンダーバードの終着駅である敦賀駅から東舞鶴駅の間を走る小浜線。車窓から望む小浜湾の美しい景色や、鯖街道の起点・小浜などみどころもたくさん。2024年からは車体全体に鯖をモチーフとしたデザインがラッピングされた「鯖列車」も運行中。地域の食文化に触れながら、駅弁を味わえば、より思い出深い旅になるはず。
その2:北陸シウマイ入り 北陸新幹線弁当
北陸新幹線の敦賀延伸を記念し、シウマイ弁当で人気の「崎陽軒」とコラボしたお弁当。福井産のサーモン、石川産のいしる、富山産のシロエビといった北陸3県の素材を練り込んだ「北陸シウマイ」が主役。「若狭梅と特産昆布の俵ごはん」「伝統寿司酢を使ったカニちらし寿司」「かしわの永平寺味噌炙り」「九頭竜舞茸と伝統打豆かき揚げ」「蒲鉾始まりの地 敦賀の蒲鉾」など、福井にちなんだメニュー10種が楽しめる欲張りな一折。主要販売駅は敦賀駅、芦原温泉駅、福井駅ほか。価格は1,500円。
その3:越前甘えび×かに合戦
軽く酢締めした紅ズワイガニのほぐし身と錦糸玉子をまぶしたカニちらしに、色鮮やかな紅ズワイガニの二本爪と福井県産の越前甘エビの素揚げをトッピング。揚げた甘エビは殻ごと食べられ、その香ばしさもあわせて楽しめます。カニ型お弁当箱は持ち帰って、旅の思い出に。主要販売駅は敦賀駅、芦原温泉駅、福井駅ほか。価格は1,480円。
◆途中下車でちょっとブレイク…「小浜駅」
かつて京の都から最も近い港の一つとして海産物などの食材を届け、京の食文化を支えていた小浜。次第に多くの鯖が運ばれるようになったことから、小浜から京に繋がる道を近年「鯖街道」と呼ぶように。「鯖街道の起点のまち」である小浜市内には[鯖街道ミュージアム]や[御食国若狭おばま食文化館]など、「鯖街道」をはじめとする小浜市や若狭の歴史や文化を紹介する施設も。街を巡りながら、海と都をつなぐ若狭の往来文化をぜひ体感して。
その4:焼き鯖すし(若廣)
身は程よく脂がのってしっとり肉厚な鯖を、黄金色に焼き上げ。福井県産コシヒカリをふっくらと炊いた甘いシャリと調和し、一口食べると香ばしさが口いっぱいに広がります。濃厚な味わいの鯖の身とシャリの間に挟まれた生姜甘酢漬と大葉の爽やかな風味が、絶妙なアクセントに。主要販売駅は福井駅、敦賀駅ほか。価格は1,404円。
小浜駅から足を伸ばして「伊勢屋」へ
「水が菓子作りの原点」と、地下30mから湧き出る清涼な地下水「雲城水」を利用し、まろやかな口当たりと優しい甘さの和菓子を作り続ける天保元年(1830)創業の菓子店「伊勢屋」へ。上品な味わいで滋養豊富な若狭特産の熊川葛で作った「くずまんじゅう」が看板商品で、毎年4月中旬〜9月頃には、こんこんと湧き出る「雲城水」に「くずまんじゅう」が浮かぶ様子は小浜の夏の風物詩に。賞味期限は当日限りなので、来店しないといただけないという特別な一品です。
冬の伝統銘菓「丁稚羊羹」(3月末までの販売)をはじめ、リコッタチーズどら焼き345円や、カフェオレ大福242円など、創作和菓子も人気。店内にはイートインスペースもあるので、作りたてをじっくり味わって。
その5:炙りのどぐろとふくいサーモン寿し
北陸新幹線金沢・敦賀間開業を記念して2024年にデビュー。北陸を代表する高級魚・のどぐろと、上品な脂ののりと芳醇な旨みが特徴の福井のブランド魚・ふくいサーモンがセットになった贅沢な駅弁。 軽く炙って香ばしく仕上げたどぐろには、永平寺味噌を塗ることでさらにコク深い味わいに。主要販売駅は敦賀駅。価格は1,150円。
◆ 途中下車でちょっとブレイク「若狭本郷駅」
異国情緒溢れる駅舎は、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」(花博)で展示されていた「風車の駅」を移築したもの。駅舎内や駅前には「#OHI」の文字モニュメントや、地域の名所を表現した顔出しパネルなどフォトスポットが多数。駅の北側に隣接する「情報交差点ぽーたる」には、鉄道ジオラマや花博で走行した「ドリーム・エキスプレス義経号」のレプリカが展示されているのでそちらも要チェック。
若狭本郷駅から少し足を伸ばして「丸栄菓舗」へ
若狭本郷駅から南へ徒歩10分ほど足を伸ばして、おおい町の老舗菓子店「丸栄菓舗」へ。小さな餡玉を白砂糖のすり蜜で包んだ和菓子「松露」は、おおい町を代表する和菓子として古くから親しまれる一品です。
その6:越前敦賀小鯛かに寿し
日本海産の小鯛を三枚におろし、薄塩で締め、ほのかに甘い酢飯を合わせ小鯛の押し寿司と、茹でたての蟹のほぐし身がたっぷりのった蟹寿司が一度に味わえるお得な一折に。付属のヘラで一口ずつ切り分けながら、カニ酢で味変しながら味わうのも一興。こちらも北陸新幹線金沢・敦賀間開業を記念して2024年にデビュー。主要販売駅は敦賀駅。価格は1,600円。11月ー3月の期間限定販売。
◆ ちょっとブレイク「敦賀駅」
敦賀駅すぐ「中道源蔵茶舗ちえなみき店」へ
敦賀駅に隣接する複合商業施設「otta」内にある公設民営型書店「ちえなみき」には、敦賀の日本茶専門店「中道源蔵茶舗」のカフェを併設。「日本茶を日常に届ける」をコンセプトに、急須で提供する玉露や煎茶など本格的なメニューをはじめ、お茶を使ったアレンジドリンクやパフェを提供しています。
お濃茶ミルク550円、ほうじ茶サンデー680円は、注文ごとにお茶を点てて仕上げてもらえます。テイクアウトもできるので、電車の中に持ち込んでゆっくり味わうのもおすすめです。また、気比神宮前の本店は和を感じる内装で、器も楽しめるセットメニューも。夏には「追い蜜」ではなく「追い抹茶ソース」をかけながらいただく「神楽かき氷」(1,100円/本店限定メニュー)が人気です。
敦賀駅で小浜線の魅力が詰まったおみやげ探し
敦賀駅でも小浜線沿線の各エリアのお土産の購入が可能。今回は自宅でも福井の味を楽しめる「ごはんのお供」にぴったりの商品を紹介します。
美浜の郷土料理「へしこ」は魚を塩漬けし、米こうじに漬け込んだ体にやさしい発酵食品。「ラー油へしこ」は、料理にコクと旨みをプラスする万能ラー油。香ばしく焼いた鯖のへしこに、にんにくと唐辛子を加えた、「へしこ」入門編にぴったりの味です。
北陸新幹線開業を記念してつくられたレトロなデザインの特別パッケージも人気上昇中の「カワモトのひじきごはん」は、ひじきとごま、しそ風味のふりかけ。敦賀市内の小中学校の給食や、敦賀気比高校学生寮などでも提供されていている敦賀の定番です。
◆ 大阪で福井を感じるなら「HOKURIKU+(ホクリクプラス)」と「大阪・関西万博」へ足を運んで!
福井の人気の駅弁6選いかがでしたか?駅弁以外にも魅力たっぷりの福井を是非楽しんでください。
大阪で気軽に福井を楽しみたい人は、2024年7月、JR大阪駅直結の「KITTE大阪」2階に誕生した福井・石川・富山の魅力が詰まった情報発信拠点「HOKURIKU+(ホクリクプラス)」も要チェック。北陸の最新の観光情報を発信するコンシェルジュを配置し最新情報を提供するほか、特産品の販売や、県の地酒やおつまみが楽しめるスタンディングバー、3県の地酒を飲み比べできるセルフ方式の日本酒サーバーも。また週替わりでイベントも開催。北陸の美しい自然や絶品グルメなど、北陸の魅力をお届けします。
また、4月13日開幕の『大阪・関西万博』の関西パビリオンには「恐竜王国福井」が登場します。懐中電灯型デバイスを使ったバーチャル発掘体験や大迫力の4面映像で恐竜の繁栄、絶滅、未来までを体感するVRシアターなど、ドキドキワクワクの体験展示も。
さらに7月16日には、EXPOホール「シャインハット」で『恐竜王国福井DAY』を開催。世界中から注目を浴びている超リアル恐竜ライブショー「ディノ・ア・ライブ」や、全米大会で9回優勝し映画「チア☆ダン」のモデルとなった福井商業高校チアリーダー「JETS」によるチアダンス、伝統工芸品の展示なども。福井の魅力を体感できる1日、お見逃しなく!
取材・文:杉田裕路子
写真:Ayami
提供:福井県交流文化部新幹線開業課