10年間で20%以上も… 読書にかける支出の低下が話題に 原因は電子書籍?それとも?

中将 タカノリ 中将 タカノリ

読書にかける支出の低下がSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのは国語科教員のぱおとんずさん(@paotongzi)による「妻から本を買い過ぎだと叱られてしまいました。叱られるほど購入しているとは思えなかったので試みに総務省統計局のデータを閲覧したところ一世帯の『読書に関する年間支出金額』(雑誌は含むが、電子書籍は含まない)として『2017年は10628円』『2007年、13896円』となっていました。」という投稿。

これは最近言われる若者の読書離れの結果なのか、それとも電子書籍の普及によるものなのか、はたまた?ぱおとんずさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「一年…一ヶ月の間違いでは…ないんだろうな…」
「うちも喧嘩の主たる原因はこれです。かなり図書館ユーザーになりましたが。」
「少ないよねえ…専門書買ったら普通に月1万超えるよね。中央値出して欲しいわ」
「私も本を買うので耳の痛い話ですが、夫氏の買い物でムカつくのは買うことではなく、収納を考えずに買って溢れてることです。そっちは大丈夫でしょうか?」

など数々の驚きの声が寄せられている。

ぱおとんずさんにお話を聞いた。

ーーぱおとんずさんはどんなジャンルの書籍を好んで読まれるのでしょうか?

ぱおとんず:職業柄、個展を中心とした日本文学、漢文学、現代中国語、日本史、教育に関する書籍を読みます。

ーー総務省のデータをご覧になった際のご感想をお聞かせください

ぱおとんず:閲覧したデータは「読書に関する支出-家計調査結果より-」(総務省統計局)になります。

妻に対して「それほど購入していないのではないか」と弁解するために調べましたが、一見して予想以上に少なく、反論材料にはならないと思いました。

次に閲覧したデータが「平均」ということなので、中央値や最頻値のことが気になり、なぜ平均が低いのかを考えるようになりました。その結果、恐らく全く書籍を購入していない層が相当数いるのだろうと考え、国語科教員として授業計画の立案の際に今まで以上に生徒の読書経験を踏まえた計画が必要であること、経済的理由で書籍購入費が低下しているのであれば社会問題としても考えていかなければならない事例ではないかと考えました。

ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

ぱおとんず:読書好きな方が多いのだなというのが一番の感想でした。

反応が増えるにつれて、妻がこのツイートを目にしたら気を悪くするだろうなということと、リプライや引用を拝見して「平均」値が独り歩きして誤解が広まると良くないなと恐怖しました。

また、お互いのアカウントの存在は知りませんが妻もTwitterをやっているようなので、プロフィールを見られたら私であるとわかってしまうかも知れず焦りました。

◇ ◇

ぱおとんずさんの投稿のきっかけになった「読書に関する支出-家計調査結果より-」によると、電子書籍への1世帯当たりの年間支出金額は2017年で636円と、2015年の420円に比較して51%以上増加。

また2019年に文化庁が発表した平成30年度「国語に関する世論調査」によると1か月に1冊も本を読まない人は全体の47.3%。過去の調査結果と比較してあまり変化は見られないが、読書量が減っていると感じる人は67.3%で平成20年度の調査から2.7ポイント増加しているようだ。

 

紙の本を手に持って読むという習慣は今後どのようになるのだろうか。

ぱおとんずさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/paotongzi

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