「夏タイヤ」で立ち往生や事故多発 雪道でドライバーに守ってほしいこと

堤 冬樹 堤 冬樹

 車の冬対策は万全ですか? 今冬は京都でも大雪が降る日が相次ぎ、1月21日の京都市内では、5年ぶりに10センチを超える積雪に見舞われ、夏用タイヤの車による立ち往生も発生した。今週末から再び寒気が強まるとみられ、日本自動車連盟(JAF)京都支部は「万全な準備と余裕を持つことが大切」と注意を呼び掛けている。

 1月21日朝、雪が積もり、路面が凍結した宝が池球技場付近の狐坂(京都市左京区)では、乗用車や小型トラックなど数台が上り坂の途中で進むことができずに立ち往生した。

 乗用車が車線から外れて対向の車と接触したり、動けなくなった小型トラックや車を居合わせた数人で押したりする場面も見られた。京都府警下鴨署や京都市左京土木事務所によると、午前8時すぎから正午すぎまで狐坂は全面通行止めになった。

 JAF京都支部によると、京都府内ではこの日、脱輪や事故といった車の移動を含むトラブルの処理件数は計52件と、通常の3倍ほどに上った。京都市内では狐坂以外に、交差点での車の立ち往生や、山あいを走っていた車がスリップして川に転落する事故も発生し、それぞれ夏用タイヤだったという。

 JAF京都支部は「雪が当たり前の京都府北部に比べると、南部では冬用の準備をしていない車も多い」と指摘し、「雪道のノーマルタイヤでの走行は極めて危険。スタッドレスタイヤやチェーンを必ず着用してほしい」と訴えている。

 一方で、スタッドレスを装着した車がスリップし、脱輪した事故も京都市内で起きたという。「降雪時はなるべく運転を控え、運転が必要な場合は気象情報や道路情報を把握してほしい」としている。

 JAFによると、雪道での運転の注意点として、▽スタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着▽スリップによるトラブルの危険性があるため、急な路線変更、急ブレーキは厳禁▽先行車との車間距離を多めにとる▽発進時はアクセルをじわりと踏み込み、ゆっくり発進する―を挙げる。

 また、積雪がなくても路面が凍結している場合もある。橋の上やトンネルの出入り口など、風通しが良かったり日が当たらなかったりする場所は特に凍結しやすく、注意が必要だ。

 アスファルトが黒くぬれているように見えて実際は凍結している「ブラックアイスバーン」の可能性もあり、JAF京都支部は「見た目で安易に判断するのは危険で、特に夜間は注意。滑ることを前提に、急ブレーキや急ハンドル操作をしないで」と呼び掛ける。

 京都地方気象台によると、今週末から再び強い寒気が流入し、京都市などでも雪になる見通しという。

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