相手にパンチを当てない。そんなルールのボクシングがある。「マスボクシング」という。今秋の全国大会で、京都府内のチームが初優勝を飾った。どんなスポーツなのだろうか-。
マスボクシングは繰り出した拳を寸止めする。当ててしまうと減点される。一方、攻撃側のパンチに防御動作がとれていなかったり、反応が遅かったりすると攻撃側に加点される仕組み。
昔からボクシングの練習として行われていたが、安全にけがなく楽しめる生涯スポーツとして、日本ボクシング連盟が2021年から個人戦の全国大会を開いている。今年の大会は初の団体戦で、9月に宮崎県で開かれた。キッズ(小学生)、ジュニア(中高生)、ヤング(18~45歳)、シニア(45歳以上)の4部門で行われた。3戦して2勝した方が勝ち。京都からは、京都西院ボクシングジム(京都市右京区)所属の7人がジュニアとシニアの部に参加した。
埼玉県や大阪府などから7チームがエントリーしたシニアの部では、野村臣英さん(49)=右京区=ら3人が出場し、予選リーグを3位で突破。予選で審判がどんなパンチに加点をする傾向があるか分析し、決勝トーナメントを勝ち抜いた。
ジュニアの部には京都と埼玉の2チームが出場。京都先端科学大付属高1年の今井蓮さん(16)=上京区=ら4人が臨んだ。子どもの場合、つい相手にパンチを当ててしまうことがあるが、当てないことを意識して戦ったという。
メンバーは10月24日に京都市役所を訪れ、松井孝治市長に優勝を報告した。
野村さんは誓った。「これを機に年齢に関係なく楽しめるマスボクシングを盛り上げていきたい」
今井さんは志す。「マスボクシングで培った技術や精神力を生かして、『当てる方』のボクシングで府内1位になりたい」
このほかの優勝メンバーは次の皆さん。
【シニア】辻希代美(大津市)、早佐博幸(宇治市)
【ジュニア】佐野陽軌(七条中1年)、佐野創軌(同)、亀井優人(蜂ケ岡中1年)