加湿器を使った後、ガスコンロを点火すると炎が赤くなる現象がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは
「実家のガス、なんか詰まってんのかと思ったら、父は加湿器使った翌日にだけなるという。調べると超音波式加湿器使うと水中の金属イオンが拡散して炎色反応で赤くなるらしく。父スゲェ、よく見てらっさる。」
という博士課程の学生、Yuji Fujimotoさん(@ephemero0621)の投稿。
同様の現象に気付いていたという人は多いようだ。Fujimotoさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは「うちもこうなった」など数々のコメントが寄せられている。
Fujimotoさんにお話を聞いた。
ーーFujimotoさんがガスコンロの異変に気づかれた際のシチュエーションをお聞かせください。
Fujimoto:実家に戻った時、お湯を沸かそうと着火したらツイートの写真のような色の炎が出ており「なんだろう」と思いました。着火した最初からこの色だったので、部屋の酸素が不十分で不完全燃焼しているのではないだろうと思っていましたが、普段見ている中華料理屋のYouTubeで、「ガスコンロの中に油汚れがたまるとそれが不完全燃焼して炎が赤くなり、料理の出来にも影響するから定期的に掃除します」的な動画を見ていたので、うちのコンロにもなんかこぼして汚れてるのかなくらいに思っていました。
父に聞くと加湿器のことを言っていましたが、当初私は炎色反応には思い至らず、不思議というか、若干疑ってさえいました。しかし年末の掃除の後、換気をして着火すると青かった炎が加湿器をつけると赤くなるのを見て、ネットやTwitterで調べたところどうやらそういうことらしいと思うに至りあのツイートになりました。
ーーお父様はふだんからよく物事に気付かれるタイプの方なのでしょうか?
Fujimoto:細かいことに気付くほうではあると思います。
ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください
Fujimoto:ここまでバズったことはありませんし、おそらく今後もないと思うので、やや他人事のような心持ちでおります。
◇ ◇
この現象について大阪ガスの担当者にもお話を聞いた。
ーー「金属イオンにより炎が赤くなる」 という認識に間違いはないでしょうか?
担当者:その認識で間違いございません。化学の授業でも出てくるいわゆる炎色反応という現象で、今回のケースでは加湿器から放出された水道水由来のカルシウムなどのミネラル分が反応し赤色もしくは橙色に変色したと考えられます。
弊社でも同一室内でガスコンロと超音波式加湿器を使った場合に炎が赤っぽくなる現象を確認しています。ただし、すべての加湿器で試験を行っているわけではないのであくまで参考情報となります。
ーー加湿器を使用しながらガスコンロを点火することに危険性はないでしょうか?
担当者:特に問題ありません。
ただし、常識の範囲内ではありますが加湿器本体を点火中のガスコンロに近づけすぎることは避けてください。加湿器本体の変形や故障、最悪火災の原因につながる恐れがあります。
またガスコンロの取扱説明書には、Q&Aの項目として、
「Q:炎が黄色い、赤い」
「A:加湿器を使用すると水分に含まれるカルシウムが燃えて炎が赤くなることがあります。異常ではありません。」
と記載しております。
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大阪ガスによるとガスコンロの炎が赤い時には「焼き物から出る煙に含まれる塩分やカルシウムが燃えて炎が赤く見える場合」や「換気が不足している場合」があるらしい。
常識的な範囲での加湿器との併用に特に問題ないことはわかったが、ガスコンロの取り扱いにはくれぐれも用心し、またなにか異常があると感じた時は専門の業者にメンテナンスを依頼していただきたい。
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【Yuji Fujimotoさん関連情報】
▽メッセージ
「今回の反響に乗じて『ベイク・ド・ナチュレ』というお店の豆乳おからクッキーをPRできれば嬉しいです。小麦粉を使っていないのでグルテンがダメな人でも食べられます」
▽Twitterアカウント
https://twitter.com/ephemero0621
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【大阪ガス株式会社 関連情報】
▽本社所在地
大阪市中央区平野町四丁目1番2号
▽公式ホームページ
https://www.osakagas.co.jp