ビネガードリンクの先駆者「はちみつ黒酢ダイエット」 若手社員を抜擢した起死回生策 それでも売れない理由は消費者と企業のギャップにあった

クラブTVO編集部 クラブTVO編集部

世界初の“粉末酢”「すしのこ」を生み出したタマノイ酢。その後発売され、飲むお酢ブームの火付け役となった「はちみつ黒酢ダイエット」はビネガードリンクで16年連続売上№1の商品に!しかし、ヒットに至るまでには大変な苦労があったのです。

1本の電話から始まった!「薄めなくても飲める黒酢ドリンク」開発

きっかけは、1本の苦情の電話でした。1990年代前半から販売していた黒酢商品「スーパー黒酢」について「毎回薄めるのが面倒くさい」と消費者から不満の声を受けます。「飲む人の自由な濃さに薄めて飲んでもらう」ように作られていた商品に対しての想定外の意見でした。

当時タマノイ酢は健康ドリンクブームに乗っかり、お酢とは関係のない様々な清涼飲料水を手掛けていました。しかし、販売した19種類の商品はいずれも失敗…。

そんな状況の中でかかってきたクレームの電話。これを受け、専門外のジャンルの商品を作るのではなく、「薄めずに飲める黒酢ドリンク」の開発が、20回目の挑戦として立ち上がることになったのです。

新商品を成功に導いた、普通の企業ではありえない驚きの方法とは...!?

この新たな挑戦で、当時の社長・播野勤は思い切った決断を下します。なんと開発の中心に入社2年目の若手女性社員を据えたのです。当時、ベテランの社員はどちらかというとその商品を開発すること自体に反対する空気があった中、経験が浅い分、自由な発想が生まれやすい若いメンバーを活かす方針を取りました。

そして、早速若手の起用が機能します。「黒酢を水で薄めるのではなく、果汁で割ってみたらどうか」と提案。果汁によって黒酢独特のツーンとした風味が和らぎ、飲みやすくなると考えたのです。

数十種類もの果汁を試した結果、「りんご果汁」が黒酢と合うことが判明。さらに甘味として「蜂蜜」を加えることに。すると酸っぱさや刺激もなく、さらに蜂蜜の健康そうなイメージも付いて一石二鳥。

手間はかかるがまろやかな酸味になる 静置発酵法で作った黒酢を使用。

こうして1996年、入社2年目の社員が生み出した、そのまま飲めるお酢のドリンク「はちみつ黒酢ダイエット」が誕生したのです。

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