お茶が1本5千円って…ワイン感覚でいただく「超高級ボトリング日本茶」を飲んでみた

松田 義人 松田 義人

クラフトビール、クラフトコーラなど自家製のこだわり飲料が続々と登場しています。そんななか、これまでになかった試みとして静岡県の丸七製茶というメーカーから「CRAFT BREW TEA」という高級ボトリング日本茶が登場しました。

ワインなどと同様、日本茶でも十数年ほど前より産地、品種などによって「当たり年」「はずれ年」が出るようになったそうですが、丸七製茶では2007年よりブレが出ないよう丁寧に管理した熟成茶を本格的に発売。今回、そのノウハウをボトリングに活かして「CRAFT BREW TEA」ブランドを立ち上げ、「楽淹」(700ml・税込3240円)、「艶味」(700ml・税込5400円)の2アイテムをリリース。まさにワイン感覚で、様々な食材と合わせる日本茶として完成させたのだそうです。

今回はこの2つをそれぞれを試飲しレビュー。合わせて丸七製茶・担当者の方にも本アイテムの秘密について聞きました。

初々しい、フレッシュな風合いが口の中に広がる「楽淹」

 

まずは「楽淹」からいただきます。裏面によればボトルであることから緑茶でありながら清涼飲料水のカテゴリーに入るようですが、100mlあたりの栄養成分表示などがあるのはありがたいです。

 

また、「楽淹」は静岡県藤枝市の代表品種で超貴重な「藤かおり」の中でも、特にかおり高い茶葉を厳選して使用しているようです。それではさっそくいただいてみます。

 

グラスに注ぐと、綺麗に抽出された日本茶の透き通るような色に加え、どことなく甘い香りがあり、その奥で微かな酸味を感じます。実際にいただいてみると、初々しいようなフレッシュな茶葉の風合いが口の中に広がり、実に繊細。もちろん日本茶特有の甘味、苦味もありますが、クセを感じさせない口当たりの良いハイレベルの日本茶でした。

アタック強めだが、どこまでも上品に日本茶の味を抽出させた「艶味」

 

続いて「艶味」をいただきます。値段が値段なので、ボトルを開けるのにちょっと緊張する筆者でしたが、「楽淹」と比較しどんな味を楽しませてくれるかに期待が膨らみます。

 

事前に聞いたところでは「飲む際の温度によって、合わせる料理など多様に相性が変わる」とのことで、こちらもやはり繊細な日本茶のようです。さっそくいただきます。

 

グラスに注いだ際のお茶の色は「楽淹」よりも若干濃いめ。実際に口にすると、「楽淹」のどことなく初々しい繊細な印象に対し、「艶味」は日本茶の味をダイナミックに打ち出した印象で、アタックは極めて強めです。しかし、かと言って強さだけの味ではもちろんありません。日本茶特有の旨味を十分感じることができる味です。また、これはあくまでも筆者個人の感想ですが、「艶味」が持つカフェインのせいなのか体中に血がめぐるような爽快な印象も持ちました。

コンセプトは「ワイングラスで楽しむ日本茶」

「楽淹」「艶味」ともに、それぞれの強い個性があり、また一度口にすると忘れられなくなるような贅沢な病みつき感がありました。確かに和洋中、様々な料理とのペアリングも良さそうで、その意味では日本茶の新しい価値観を提案する有意義な2アイテムだとも思いました。

最後に丸七製茶の担当者の本アイテムの秘密について話を聞きました。

「コンセプトは『ワイングラスで楽しむ日本茶』です。

急須で淹れるお茶は、茶葉の品質の違いだけでなくお茶を淹れる水質や沸かし方、温度、そして茶葉の鮮度や量、淹れる道具の素材や注ぎ方などちょっとした工夫で味や香りが変化します。長年お茶作りに関わってきた弊社では、『最適な淹れ方』で作ったお茶を、どなたでも開封するだけでベストな状態で楽しんでいただけるお茶作りができないかと20年以上模索し続けてきました。

これらの背景から、今回ぺットボトル飲料では実現できない小規模で手作りの生産によって超希少な原料を使用し、個性を活かして抽出しガラスボトルに充填した『CRAFT BREW TEA』を誕生させました。本茶を淹れる水の水質を気にすることなく同じ味で手軽に何度も繰り返し楽しむことが可能になりました。

夏は冷やして、冬は常温でもお楽しみいただけます。料理との相性を楽しみながら豊かな香りを感じやすいワイングラスでお楽しみいただければ幸いです」(担当者)

 

日本茶の楽しみ方を広げながら、良質の味を多くの人に届けるという有意義な試みだと思いました。これらは丸七製茶のECサイト・ななやで購入することができます。是非特別な料理をいただく際のお供に「楽淹」「艶味」をゲットされてみてはいかがでしょうか。

ななや https://nanaya-matcha.com/

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