「公文代」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。
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「公文」という名字は難読ながら、最近では読める人も多い。テレビCMでもおなじみの「公文式」の「公文」だからだ。この「公文式」は創業者が公文公(くもん・とおる)であることに因んでいる。「公文」という名字は高知県に多く、公文公も高知県の出身。
この「公文」にさらに「代」がついたのが「公文代」で、これで「くもんだい」と読む。
そもそも「公文」とは、荘園などで実際に徴税にあたる官僚のこと。しかし、現地に赴かず、代理人を派遣する官僚も多かった。担当者の代理をすることから「~代」と呼ばれ、守護の代理をする守護代、地頭の代理をする地頭代などがあり、公文の代理として年貢の徴収などにあたったのが公文代である。こうした公文代をつとめた人達が名乗った名字だと思われる。
現在は京都府南部の名字で、とくに山城町に多い。