新型コロナの感染が再拡大、まん延防止にいま知りたい疑問に豊田真由子が答える<後編>

豊田 真由子 豊田 真由子

医療ひっ迫の原因は?

感染が急拡大し、最も懸念されていることのひとつは、「医療のひっ迫」です。昨年春からの現場の医療従事者の方の奮闘と疲弊は、相当なものです。

重症者用病床が埋まり、受け入れができない事態も懸念されます。ハコ(病床)だけでなく、治療を行うヒト(医療従事者)、高度な治療を可能にするモノ(ECMO等)も併せて必要になります。

なんであれ、生じた問題を解決するためには、問題の原因を分析して特定し、その原因を取り除いていく、ということが必要です。そのためには、日本のコロナ病床に関する状況を客観化・相対化してみることが有用ではないかと思います。

下記の3つグラフは、日本の感染者数等の推移、世界各国の人口100万人当たりの感染者数の推移、その中から日本を取り出したものです。

【日本の感染状況の推移】(厚生労働省アドバイザリーボード2021年4月14日)

これを世界の感染状況と比較してみます。

【人口100万人当たり各国の新型コロナ新規感染者数】(Our World in Data)

上記のグラフで、日本を取り出すと以下のピンク部分になります。

こうして見ると、人口当たりの感染者数が相対的にかなり少ない状況で、人口当たりの病床数世界一である日本において、「医療ひっ迫」が起こってしまっているのであれば、それはやはり「なにかがおかしい」ということになると思います。

2021年1月下旬のデータで、全病床に占めるコロナ病床の割合は、日本は0.87%と、英国の22.5%や米国の11.2%に比べ、10分の1以下です。

日本で、新型コロナ患者を受け入れている病院を、設置者別に見ると、公立病院で約7割、民間病院では約3割です(2021年1月10日時点。厚生労働省)。

医療ひっ迫が懸念される大阪府ですが、データで見ると、以下のようになっています。

吉村知事によると(2021年1月19日)、大阪府でコロナ患者を受け入れている民間の医療機関は、救急受け入れと内科・呼吸器内科医師のいる病院に限ってみた場合でも10パーセント、病床は0.6%とのことです。

大阪府の病院の病床は、合計で104,566(一般病床:65,301、精神病床:18,165、療養病床:20,632、結核・感染症病床:370)となっています(日本医師会)が、現在、新型コロナ用に確保できているのは、最大1990床(軽症・中等症用:1766床、重症者用:確保数は224床)とされています。

ちなみに、大阪府では、2月の緊急事態宣言解除後に、確保していた病床を減らすように指示がなされたそうで、ステージに合わせて病床を増減させるという理屈は理解しますが、解除したら感染が再拡大することは当然想定されたことであり、また、病床は一度減らしたら急には増やせないものなので、バッファーを多めに取っておくべきだったろうと思います。

しかし、医療ひっ迫問題の根幹は、もっと別のところにあります。そもそも日本は、新型コロナ用に確保された病床数が少ないので、分母が少ないために、分子が増えたら、一挙に病床がひっ迫してしまうということになります。

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