中学受験に関するニュースは以前から報道されていましたが、最近は中学受験をテーマにしたテレビドラマやマンガも登場して話題を集めているほどです。「中学受験」っていつから準備するべき?お金はいくらかかるの?検討しようにも、いまいち中学受験をよく知らないママのために、受験準備を始める前に知っておきたいことを紹介します。
新4年生の通塾が中学受験のスタートライン
私立中学校への進学を目指す中学受験は、一般的に新4年生から中学受験塾に通うことから始まります。「新4年生」とは、小学3年生の2月のことを指します。中学受験塾の新年度は2月から始まるためです。4月始まりの小学校と同じ感覚でいると、2カ月遅れとなってしまいます。
ママ自身が中学受験をした子どもの頃は、新5年生から通塾が多かったですね。しかし現在は、ママが子どもの頃より1年早まり、新4年生にあたる3年生2月からの通塾が主流です。
中学受験を選んだ理由
わが子に中学受験をさせようとママが決めた理由には、以下のようなものがありました。
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「充実した環境と設備の中で中学・高校の6年間を過ごして欲しいから。特にコロナ禍での休校期間に痛感した」
「ママ・パパが中学受験をして満足しているから、子どもにも私立中高に通わせたい」
「内申点が重要な高校受験には、わが子が向いていないと思うから」
「大学付属に進学して、大学受験を気にすることなく中高生活を楽しんでほしい」
「地元中学校が荒れていて、通わせたくないから」
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わが家が中学受験をした理由は、「友達が中学受験するから、私も受けたい」と子どもが小4の夏に言い出したことでした。ママである私は「私立に6年間通う学費を出すのは難しいけど、公立中高一貫校ならチャレンジしてもいいかな」と考えて、最初は公立中高一貫校だけを考えていました。
公立中高一貫校だけのはずが、私立中学も受ける場合も
前述のとおり、中学受験塾の一般的なカリキュラムは新4年生である3年生2月から始まりますが、公立中高一貫校向けのカリキュラムは、多くの塾では新5年生から始まります。
公立中高一貫校だけを考えていたはずなのに、受験勉強をしているうちに私立中学校も受けたくなることが多いので、注意が必要です。わが家も公立中高一貫校だけと考えて中学受験を始めたのですが、実際には私立中学も受けました。
一般に中学受験は、第一志望に進学できる受験生は3割といわれる厳しいものです。公立中高一貫校は倍率が5倍を超える学校がほとんどのうえに、受験生は一校しか受けることができません。公立中高一貫校だけを目指していた家庭でも、せっかく勉強しているのだから地元中とは違う中学校に入学したくなって、私立中学校も受験することは少なくありません。
※公立中高一貫校の入学試験は適性検査を実施するため「中学受検」と書きますが、今回は表記を「中学受験」に統一します。
スタートラインの前から中学受験は始まっています
「中学受験のスタートラインは、新4年生の3年生2月」と説明してきましたが、実はスタートラインに立つ前から戦いは始まっています。
多くの中学受験塾のクラス分けは成績順で、最初のクラス分けは入塾テストの点数で行われます。この最初のクラス分けで上位クラスとなって、中学受験をスタートすることが大切です。
入塾時に上位クラスになることが大切な理由は、入塾してから上位クラスに上がることは難しいからです。その理由は、「上位クラスと下位クラスでは授業内容や教材が異なることがある」「力量の高い先生が上位クラスを担当することが多い」などです。
そのため、中学受験をする子どもたちは、まず入塾テストで高得点を取って上位クラスで通塾を始めようと勉強に励んでいます。
中学受験塾も、入塾前におトクな準備講座や気軽に受けられる体験版のテストなどのトライアルを用意しています。中学受験塾を選ぶ際には、活用しましょう。
合格実績の良い塾の席を確保するために、低学年から塾に通わせる場合もあります。低学年は通塾日が週1回程度と少なくて、新4年よりも低学年のほうが入塾テストの合格点が低くて入りやすいと言われているからです。そのため、中学受験塾の中には低学年のうちから募集停止となる校舎もあります。
塾業界では早期囲い込み戦略から、通塾対象児童の低学年化が進んでいます。しかし、早期からの通塾の必要性は、専門家のなかで意見がわかれています。準備が早いほうが安心ですが、新4年生で入塾していなかったとしても、間に合わないわけではありません。わが家は、6年生の3月に入塾して公立中高一貫校と地元では御三家と呼ばれる私立中学校に合格しました。
ただし、遅れてスタートした受験勉強は想像以上に大変でした。「間に合うだろうか」というプレッシャーに苦しめられました。中学受験が終わってから考えるのは、「がんばれば追いつくけれど、新4年生から受験勉強を始めるのが効率的だ」ということです。
中学受験に必要な金額
ここまで読んで、「中学受験って大変そう、仕事も忙しい私にサポートできるかしら」と心配になったワーキングマザーもいるかもしれません。しかし、ワーキングマザーだから有利なことがあります。なぜなら、中学受験はかなりの出費になるからです。
中学受験で塾に支払う費用は毎月の授業料に加えて、入会金、教材費、季節講習費、テスト代などがあります。合計金額は塾によってさまざまですが、大手の中学受験塾ではおよそ以下のような金額になります。
▽4年生 約40〜50万円
▽5年生 約60〜70万円
▽6年生 約100〜120万円
この他に、塾への交通費や苦手対策のための参考書代なども発生します。中学受験塾にプラスして家庭教師や個別指導を依頼することもあります。
合格したら、入学金の支払いも待っています。入学してからの私立中高の学費は、全国平均で私立中学校が3年間で約420万円、私立高校が約290万円です。ちなみに、公立中学校では約133万円、公立高校では約137万円となります(文部科学省 「2018(平成30)年度子供の学習費調査」から。授業料や学用品、通学費などの学校教育費と、塾や習い事などの学校外活動費を合わせた金額です)。
中学受験はビッグプロジェクト
中学受験は新4年から約3年間と長期間で費用も高額だから、お子さんが生まれてから最も大きなプロジェクトともいえます。テレビや友だちの影響を受けて、子どもが「中学受験をしたい」と言い出すこともあるかもしれません。少しでも気になったら、志望校の検討や中学受験塾のリサーチ、マネープランの準備を始めましょう。
中学受験をしなくても、その3年後には高校受験があります。受験間近に慌てることなく、内容が簡単でママがサポートしやすく、第二次反抗期の前の低学年のうちに、家庭学習の習慣をつけるとラクなので、お勧めします。