大みそかの定番、知恩院の除夜の鐘が非公開に コロナ対策で「残念」の声多く

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 大みそかの恒例行事といえば、除夜の鐘です。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、こうした恒例行事にも影響を及ぼしています。京都市東山区の知恩院(浄土宗総本山)は、毎年大みそかに突く除夜の鐘を、新型コロナウイルス感染対策のため非公開とすると決めました。また、例年12月27日に実施している試し突きも非公開とします。ツイッターでは残念がる声が広がっています。

 除夜の鐘は、大みそかの夜に108打の鐘を突き、煩悩を払い清らかな心で新年を迎えるための行事です。特に、知恩院の除夜の鐘は京都の冬の風物詩として知られるほか、テレビでも中継され全国的に有名です。

 知恩院の境内南東部にある大鐘楼(重要文化財)で、高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トンの釣り鐘を、親綱1人、子綱16人の計17人の僧侶が「えーい、ひとーつ」「そーれ」の掛け声で息を合わせて突きます。

 知恩院によると、毎年大みそかの午後8時半の開門時間前には長蛇の列ができ、この日だけで約3万人の参拝者が訪れ、大鐘楼付近は人々が密集する状態になっていたそうです。こうした事態を避け、感染拡大を防ごうと知恩院は除夜の鐘を非公開とすることを10月下旬に決めました。

 知恩院が11月26日にツイッターで除夜の鐘の非公開をつぶやくと、多くの人にリツイートされ、「このご時世ゆえ仕方ない事ですね」といった声や「諦めるしかない」といったコメントが寄せられました。みなさんが残念に思っていることがよく分かります。

 なお、ツイッターではリモート中継に期待する声も上がっていますが、知恩院は「検討中」とのことです。

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