アメリカで美味しいイタリアンレストランを見つけるライフハックがSNS上で大きな注目を集めている。
「🇺🇸で良いイタリアンを見つける方法。イタリア系家族経営の30席以下の小さな店を狙う。YelpやGoogleの悪いレビューを読む。味付けが薄すぎる。量が少ない。パスタが生煮えだった。付合せの野菜が固かった。等のコメントがあればOK。この法則に従うと、高確率でいい店に巡り会える。」
と件のライフハックを紹介したのはアメリカ在住のかな江さん(@somm_in_us)。
アメリカと言えば世界に冠たるファーストフード、ハンバーガーやフライドチキンがこよなく愛されるグルメ大国。一方、味付けや食感には大雑把なイメージがある。そんな中で繊細な本格イタリアンを見つけるメソッドとは?
かな江さんにお話を聞いた。
ーーこのことに気づいた経緯は?
かな江:私は現在住んでいる街に引っ越してきて4カ月足らずです。ここに10年以上住んでいる友人と食事の機会があり、一度試して気に入ったイタリアンを指定しました。老舗だったにも関わらず、友人はその店の存在を知りませんでした。そして大変気に入って、どうやって見つけたのかと私に尋ねたのです。
ーー店選びのポイントはどこに。
かな江:私は仕事柄、会食の場所の設定を任されることが多く、経験から小規模の店の方が失敗が少ないことを知っていました。味が薄い、量が少ないのコメントは、良い店の低評価レビューによく見られます。イタリアンならイタリア人経営の方が美味しいし、特にイタリア人はビジネスを家族総出で営む傾向が強いようなので、小規模ならば家族経営である可能性が高いです。
パスタと野菜については、以前住んでいた街で、お気に入りのイタリアンのレビューを何気なく読んでいたら、生煮え(undercooked)だったと酷評されていて苦笑してしまった経験からです。それからは悪いレビューを注意深く読むようになり、そこからたくさんのお宝を発掘しました(笑)。
ーー一般的なアメリカ人の食の志向は?
かな江:難しい質問です。アメリカやアメリカ人ほど一般的という言葉が当てはまらないものはないような…。広大な国土、多民族国家、そして意外と階級社会なので、食の好みもスタイルもそれぞれです。映画館で買ったポップコーンの残りが夕食でも構わない人もいれば、毎夜高級スシ屋を食べ歩く人まで、多種多様です。
ただ、一つだけアメリカらしいというか、どのグループにも存在するものがあります。それは、カスタマイズです。レストランでもどこでも場所を問わず、自分の食べたいものだけを、好みの味付けで食べようとする人達です。ドレッシングはかけないで横に添えて、と言うのはまだいいほうで、その日の付け合わせの野菜を全て尋ねた上で、嫌いなものを別のものに変えろ、寿司の盛り合わせを頼んで、マグロと白身は嫌いだから、それら全てハマチに変えろ、とか。ごく当たり前にオーダーします。
これらは一般的とは違うかもしれませんが、どの人種、クラスにもいて、そしてアメリカならではと思われますがいかがでしょうか。
ーーアメリカで良い日本食店を見分ける方法は?
かな江:まず、日本人オーナーシェフの店を選ぶのは王道でしょう。そして、口コミサイトで日本人ならではの勘を働かせて写真をチェックして、妙な違和感を感じなければ大丈夫なのではないでしょうか。日本人のオーナーシェフ=料理のプロではないこともあるので…。
非日本人オーナーシェフの日本食にも良いものはありますが、いい店は非常に数も少なく、高級な佇まいでも料理は最低な店も多く、失敗したときのダメージが大きいです。一つ注意が必要なのは、アメリカの観光地や大都市の日本語の口コミサイトです。日本人経営っぽい名前のレストランでもレビューが怪しい日本語で書かれてあったりしたら、それは日本人観光客をおびきよせようとする、偽日本食店の可能性があります。
ーー投稿に対し大きな反響がありました。
かな江:とても驚きました。私としてはもっと反響があるだろうと思う記事もあったのですが。イタリアンの記事は、いつもよりも気楽な感じで書いたので。
1000万以上のインプレッションをいただき、多くのリプライやリポストを読ませていただきましたが、私が伝えたかったこととは少し違う形で読み手の方々に受け止められたようです。書いたものは、一旦私の手を離れたら勝手に一人歩きをして姿を変えて行くものなのだとあらためて感じました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「これなら 名物ブヨブヨパスタを避けられますねw」
「アメリカの食事が全般的に不味く感じたのは 味付けが濃い 量が多い よく火を通す あたりが理由なんですかね」
「アメリカ版料理の鉄人 "IRON CHEF AMERICA" で、鉄人が日本料理をモチーフとした料理を提供し、レギュラー審査員は高評価なのに、バカ舌ゲスト審査員は超低評価で鉄人が負けるという回が何度もあったのを思い出しましたー」
など数々の驚きの声、共感の声が寄せられた今回の投稿。今後アメリカに行く予定のある方はぜひ参考にされたい。
なお今回の話題を提供してくれたかな江さんは日々、X上でアメリカ生活での気付きを投稿している。いずれも文化の違いや共通性を感じさせる興味深い内容なので、ご興味ある方は要チェックだ。
かな江さん関連情報
Xアカウント:https://x.com/somm_in_us