「女の子だから」「男の子だから」という偏見にとらわれずに、ひとりひとりの個性を認める世の中を目指して、さまざまなことが見直されつつあります。「色」に注目すると、ベビー服がニュートラルカラーになったり、ランドセルが豊富なカラーから選べるようになったりと変化してきました。ですがピンクに対するイメージは根強く、女の子のキャラクターやおもちゃはまだまだピンクの洪水です。そんな状況で暮らす小学生以下の子どもが「ピンクは女の子の色」と感じてしまうのは、ある意味仕方のないことかもしれません。では幼い子が色で性別を特定したとき、どうしますか? あるお父さんの対応がSNSで話題になりました。
「ピンク色大好きな娘がついに『ピンクは女の子しかダメなんだよ』と言い出しました。巷に溢れるジェンダーバイアスに幼児はもろに影響を受ける。なので、『男の子がピンク好きでもいいんだよ』と伝えるため、私は保育園の送り迎えや家でしばらくピンクばかり着ることにしました。」
と、娘さんとピンクの服を着た写真を投稿した劔樹狼(劔樹人)(@tsurugimikito)さん。このツイートに「最高ですし、ピンクとっても似合ってます」「ジェンダーバイアスについて言葉で説明するよりも子供にとってはずっと説得力があります」「やっぱり子供は言うんだね~ うちの子もこんな感じです」「素敵!好きなものに性別は関係ない 私も体現できる親でありたい」などのコメントが集まり、1.3万リツイートと6.1万いいねがつき話題になりました。また「ピンクが似合う男性はたくさんいると思います」とバーバパパをはじめ、さまざまなピンクをまとった男性の画像もならんでいます。
ほかに、男の子がピンクや赤が好きだと発言したときに、家族や親せきが「女の子の色だよ」と言ってしまう問題や、幼稚園で「へん」だと言われてピンクを選ばなくなってしまった話などもならびました。このことから、身近な人だけでなく周りにいる人みんなが影響を与えてしまう難しさが感じられます。
何年か続けてピンクを着てみようと思っていますと話す劔樹狼さんに聞きました。
──娘さんが「ピンクは女の子の色」と言うきっかけなどはあったのでしょうか?
特に思い当たることはありませんが、いつからかピンク色のものが好きになって、今一番好きなキャラクターはピーチ姫です。ピンクの男性キャラクターを見る機会がないのも原因だと思います。
──お父さんがピンクを着るようになって、娘さんに変化は感じられますか?
既にわりと普通になっていて、特に何も感じられません。
──それは効果が出ているとも考えられますね。娘さんの発言にピンクの洋服を着るという方法を選んだのはなぜでしょう?
ピンクの男性の姿は、娘だけでなく、娘の保育園でも子どもたちが何か感じるきっかけになるかな、という気持ちもありました。
──「ピンク色好きの男の子が『あのおっちゃんピンク着てるやん!』と言えることが大切」というコメントもありましたね。ツイートに共感する人が多くいました。
子育てをする多くの方が、子どもがどこで性差を内在させていくのか?という同じ疑問を感じ、問題意識を持っていて、この世界は捨てたものじゃないと思いました。