帯状疱疹〜目の周囲に出たときはご用心 ウイルスが黒目に入ると治療に時間が…視力が低下することも

ドクター備忘録

窪谷 日奈子 窪谷 日奈子
帯状疱疹が目の周囲にできた場合はご注意を(oka/stock.adobe.com)
帯状疱疹が目の周囲にできた場合はご注意を(oka/stock.adobe.com)

 みなさんは帯状疱疹(たいじょうほうしん)という病気をご存じでしょうか。季節の変わり目や疲れがたまったときに、ビリビリした痛みを伴う水疱が体に出る病気です。水ぼうそうのような水疱が出るこの病気は、どんな人にも起こる可能性があります。

 子供の頃に水ぼうそうが治ったあと、ウイルスは神経の根本に眠った状態になります。そのウイルスが免疫が落ちた時に、神経に沿って皮膚に再び出てくるのが帯状疱疹です。

 体の片側に部分的に出るとされています。背中やお腹などの体幹に出ることが多いですが、目の周囲に出た場合は特に注意が必要です。ウイルスが皮膚から角膜(黒目)に入ると治療に何カ月もかかることがあり、強い濁りを残すと視力が大きく低下するためです。

 目の周りに出た場合は、角膜にウイルスが侵入しないように、目に症状がなくても予防的に抗ウイルス薬を投薬しておくことが大切です。皮膚科や内科とあわせて、眼科でも必ず診察を受けるようにしてください。また一般的に伝染力は低いとされていますが、まだ水ぼうそうにかかっていない新生児、免疫力の低下している方や妊婦さんとの接触は避けた方がよいでしょう。

 全身の病気で免疫の落ちた方や、ご高齢の方に多いとされる帯状疱疹ですが、疲れやストレスのたまりやすい「働き盛りの世代」にもよく見られます。水疱がひどくなると治療に時間がかかりますし、治ったあとも神経痛が残ることがあるため早めの受診が大切です。

 水疱が治った後に神経痛が残った場合は、痛みを専門にしている「ペインクリニック」で相談しましょう。神経痛はあまり長い期間放置すると治療が難しくなるので、水疱がおさまったあと1~3カ月以内の受診をおすすめします。

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