山口達也容疑者に「アルコール依存症の可能性」「酒気帯びの理由」「罰金30万円」

小川 泰平 小川 泰平
警視庁に移送される山口達也容疑者を乗せていると思われる車両=2020年9月22日、警視庁
警視庁に移送される山口達也容疑者を乗せていると思われる車両=2020年9月22日、警視庁

 酒を飲んでバイクを運転した道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、人気グループ「TOKIO」元メンバーの山口達也容疑者(48)が警視庁に現行犯逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は22日夜、当サイトの取材に対し、「アルコール依存症で体内にアルコールが残っている状態で飲酒した可能性」を指摘し、量刑については「酒気帯び運転の初犯は罰金30万円が相場」と解説した。

 捜査関係者によると、山口容疑者は22日午前9時半ごろ、東京都練馬区桜台2丁目の区道で、信号待ちをしていた乗用車にバイクで追突。運転していた男性の110番で駆け付けた警察官が呼気検査を実施し、基準値を大幅に上回る約0・7ミリグラム(mg)のアルコールが検出されたため、現行犯逮捕となった。山口容疑者は容疑を認め、「友人宅に向かう途中だった」と供述している。

 小川氏はまず、今回の逮捕容疑が「酒気帯び運転」だった点に注目。「酒気帯び運転とは、呼気中アルコール濃度が1リットルあたり0・15mg以上含まれる状態で運転することを指します。0.・25mg以上含まれている場合はより重い行政処分が下されます。それに対し、『酒酔い運転』の場合は、アルコール濃度の検知値には関係なく、酒に酔った状態で運転が困難だと思われる状態で運転をすることを指します。直線上を歩いてふらつかないか、視覚が健全に働いているか、など運動や平衡感覚機能が麻酔されていないか、また、言動などから認知能力の低下がないかなどが判断されます。アルコール濃度が0・15mg未満でも体質によっては酒酔い運転に該当することもあり得ます」と解説した。

 その上で、同氏は山口容疑者から0・7mgのアルコールが検出されたことに対して「交通捜査課の専門家に取材しましたが、通常、その数値では『ベロベロになっている状態が普通』とのことでした。個人差はあるが、ビール中瓶1本(500ml)を飲むと、1-2時間なら0・15mg以上出ると言われており、0・75mgだとすれば、ビール中瓶 6-7本くらいに相当します。通常なら『酒酔い運転』ですが、『酒気帯び』で現行犯逮捕になったということは、質問にもちゃんと答えられ、直立や平衡感覚の検査をクリアした結果、酒気帯びと認められたということが考えられます」と説明した。

 さらに、小川氏は同容疑者のアルコール摂取の経緯について「個人差はあるので一概に言えませんが、朝9時半という逮捕時間から考えて、朝から飲んでいたというより、前夜から飲んでいたか、アルコール依存症のため常に体内にアルコールが残っている状態で飲酒した可能性がある」と推測した。

 小川氏は「芸能人では、吉澤ひとみさんが2年前にひき逃げ事件を起こして逮捕され、懲役2年、執行猶予5年の厳しい判決が出ましたが、酒気帯び運転の罰則は3年以下の懲役、50万円以下の罰金で、初犯の場合は罰金30万円が相場」とした上で、「いつ、何時間くらい、どこで、何を、誰と、どのくらいの量を飲んだか…ということを調べ、裏付けを取る必要があります。虚偽の説明をしたような場合は、勾留が付き身柄を拘束されたまま取り調べとなり、より厳しい扱いになるでしょう」と付け加えた。

 また、逮捕後の留置が所轄の練馬警察署でなく警視庁だったことに、同氏は「特別な理由があるわけではなく、施設の収容体制の問題で、自殺の防止、単独房の有無など、著名人ということもあって警視庁になったのではないかと考えられます」と補足した。

 最後に、小川氏は「こうした事故を起こした場合、現場から逃走することが多い。こういう言い方をするとお叱りを受けるかもしれないが、逃げなかったことはえらいと私は思いました」と同容疑者の姿勢を評価した。

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