「人生最後の犬」で迎えた保護犬は想像を絶するヤンチャだった イタズラ、噛み癖…どうすれば良い?

山中 羊子s 山中 羊子s

 兵庫県西宮市に住むKさんは50歳を過ぎ、年齢的にも「人生最後の犬」として保護犬を迎えることを決意。保護団体のネットで一目惚れした子犬を見つけ、引き取ることにしましたが、それがこれまで体験したことのない犬との生活の始まりとなりました。

1匹でも命を救えるなら

 Kさんは子供のころから、犬が傍らにいる生活を送ってきました。そして犬との生活で困ったこともなく、平穏な日々を送っていました。ところが3年前、それまで飼っていたミニチュアダックスが10歳で亡くなり、しばらく犬のいない期間がありました。

 そこで「52歳となって、自分の年齢を考えても最後となるかも」と新たに犬を迎えることを決心。「せめて、1頭でも命を助けることができるなら、と今回は保護団体から迎え入れることにしました」とKさんは話します。

 ネットで調べていると、クリクリとした目の愛くるしい子犬に目が留まりました。すぐに連絡を取り、会いに行き、とんとん拍子でお迎えが決まりました。

 「まだ3カ月ほどで、母犬はどうも野犬みたいだったそうです。子犬3匹が保護され、その中のオスの1頭でした」

 脚がしっかりしているので、もしかしたらちょっと大きくなるかなという予想もありましたが、物おじすることなく、甘えてくる姿をすっかり気に入ってしまいました。2019年12月、その子犬はKさんのお宅に迎えられました。

これまでの犬とは違う…どうしたらいい?

 「茶々丸」と名付けられたその子犬。これが予想以上のヤンチャさんでした。「破壊力がすごくて、テーブルや椅子がかじられてキズだらけ。こんなことはこれまで体験したことがありませんでした」。それでもきっと子犬のいたずらだろうと思っていました。

 しかし、もうひとつ、想定外のことが起こりました。「今、推定9カ月ですが、18キロにもなっちゃいました」。これまで小型犬ばかりを飼っていたKさんにとってはこの大きさは未知との出会いでもありました。

 なんとか、しつけをしようと努力しました。しかし、さらに困ったことが起きました。「噛んでくることです」。Kさんだけでなく、大学生の娘さんや同居しているKさんのパートナーの男性にも噛みつくようになりました。

 構ってほしいから、遊びたいから…。茶々丸ちゃんにも理由はあるかもしれません。が、家族だけでなく、他の人を傷つけては大変と、県の保護施設に相談。月に1度、トレーナーさんのカウンセリングを受けることにしました。

家でもリードを装着、少しずついい子に

 いま、トレーナーさんの指導のもとで、少しずつ、Kさん自身も勉強中。「正直、こんなことになるとは思いませんでした。でも、私が引き受けた命ですから責任をもっていい関係を築き上げたいと思います。反省点としては最初、年を取ってできた子のように、甘やかしたところもありますね」

 当の茶々丸ちゃんは現在、家族と家にいるときもリードでつながれていますが、これもしつけのひとつ。いつかこのリードなしで家族で過ごせる日がくるまで、Kさんと茶々丸ちゃんは勉強を続けます。

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