京都・北野天満宮の「厄除梅茶」が人気 その理由は名刀「鬼切」にあった

浅井 佳穂 浅井 佳穂
古銭風のメダルが付いた「厄除梅茶」(京都市上京区・北野天満宮)
古銭風のメダルが付いた「厄除梅茶」(京都市上京区・北野天満宮)

 北野天満宮(京都市上京区)が授与している梅茶のセットが、にわかに人気を集めています。その理由を調べると、おまけで付いているメダルが目当てであることが分かりました。さて、そのメダル、何が特別なんでしょう?

 北野天満宮が授与しているのは、その名も「厄除(やくよけ)梅茶」。1箱8袋入りで1袋に3包入っています。粉末をお湯に溶かして飲むと、梅の風味を楽しむことができます。

 この梅茶には、直径2・5センチの古銭風のメダル1枚が漏れなく付いています。メダルは金・銀・銅の3色があり、表面には「鬼切」、裏面には「髭[ひげ]切」や「開運厄除」という文字が刻まれています。

 鬼切というのは、北野天満宮に伝わる日本刀の名前です。源氏の子孫に代々引き継がれてきたとされ、刀剣ファンの間でも絶大な人気を誇る伝説的な名刀です。髭切は、その別名にあたります。

 しかし、なぜ梅茶のセットに鬼切のメダルを付けたのでしょうか。北野天満宮の神職に聞いたところ、新型コロナウイルスの流行が早く沈静化してほしいという強い願いを込めたと言います。

 天満宮の梅には、ご神徳があるとして古くから信仰されています。平安時代にも、現代同様に疫病が流行したことがあり、ときの村上天皇までもが脳の病に冒されました。そのとき、梅を入れたお茶を飲んだところ、病が快方に向かったといいます。

 一方、名刀にも疫病よけの伝説があります。「鬼切の下をくぐると病気にかからない」という言い伝えです。こうした言い伝えに基づいて考えられたのが古銭風メダルでした。メダルを財布に入れたり、ひもを通したりして、疫病よけのお守りのように身に着けてもらおうというわけです。

 6月下旬に授与を開始したところ、すぐに人気が高まりました。当初は境内の社務所だけで授与していましたが、「新型コロナウイルス感染への懸念があり参拝できない」といった声が多く寄せられたことから、現金書留で初穂料を納めてもらうという方法で受け付けを開始しました。現在では1日30~40件の申し込みがあるそうです。

 北野天満宮は「1人でも多くの方に梅や鬼切丸の信仰を知ってもらい、厄除梅茶の授与を受けていただきたい」としています。

 厄除梅茶は1箱2000円。送料は1箱500円、2箱以上は一律千円です。問い合わせは北野天満宮075(461)0005。

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