アイスクリームにかき氷、キーンと冷えた飲み物など、暑い夏場はどうしても冷たいものが欲しくなります。そして「冷たいものがしみる=知覚過敏」のイメージがありますが、他にもさまざまな原因が考えられます。
「むし歯」はないのに、しみれば「知覚過敏」かも?
歯がしみる原因の上位は「むし歯」。もしかして、虫歯の初期段階かもしれません。歯に穴があくことで、歯の神経を直接刺激し、水などの冷たいものがしみるようになります。しかし、むし歯がないのにも関わらず、しみるときは「象牙質知覚過敏症」の可能性があります。一般的には「知覚過敏」と呼ばれているものです。
歯は硬いエナメル質で覆われていて、その内側に柔らかい象牙質があります。象牙質が冷たいものや熱いものなどに触れることで、内部の神経に伝達されて、歯は刺激や痛みを感じる仕組みになっています。
普通、象牙質はエナメル質に覆われているので、しみたり、痛みを感じたりすることはありません。しかし、氷のように極端に冷たいものなどはエナメル質の上からでも温度が内部の象牙質に伝わって、歯がしみることがあるのです。
それ以外でも、年齢とともに歯肉の退縮がある場合や、歯ぎしりや食いしばりによるすり減りなどでも象牙質が露出し、神経に伝達されやすくなり、知覚過敏が生じるようになります。
「歯周病」は歯根が露出して、しみる原因に
日本人の40歳以上の約8割がかかっているといわれる「歯周病」。歯周病になると、歯槽骨という歯を支える骨が減り、歯茎が痩せてきて、歯根が露出するようになります。本来なら、歯茎の中で守られている部分が露出するので、しみるようになるのです。
一過性か、病気かどうかを見極めよう
冷たいもので歯がしみても、一過性の場合があります。そうではなく、痛みやしみる時間がしばらく持続するような場合や、痛みが激しい場合は、歯の神経に炎症が起きているかもしれません。そういうときには、専門医に相談してください。
予防するには、むし歯や歯周病にならないように努め、歯の象牙質の露出を防ぐことです。歯にプラーク(歯垢)が付着すれば、むし歯だけでなく、知覚過敏も起きやすくなります。日常の歯のケアや歯磨きも欠かさずに行いましょう。