永瀬正敏、採算度外視で“学生映画”に主演 「若い彼らこそが未来」6年越しの念願叶う

石井 隼人 石井 隼人
『二人ノ世界』公開を切に願った永瀬正敏(撮影:石井隼人)
『二人ノ世界』公開を切に願った永瀬正敏(撮影:石井隼人)

「映画界の未来を担う彼ら彼女たちに“一生懸命やったけれどダメだったじゃん”と思ってほしくなかった」。そう願い続けて約6年。俳優の永瀬正敏(53)が劇場公開を切に願っていた主演映画『二人ノ世界』が、7月10日から劇場公開される。

作り上げたのは京都芸術大学映画学科の学生たち。日本のみならず海外でも活動するベテラン俳優が、採算度外視で学生映画に参加した。何が永瀬を突き動かしたのか。

演じたのは、脊髄損傷のために寝たきり生活を送る主人公・俊作。心を閉ざし人を遠ざける俊作の前に現れたのは、盲目の女性ヘルパー・華恵(土居志央梨)だった。第10回日本シナリオ大賞佳作受賞の脚本を、2014年に映画学科の学生が中心となって映画化した。

「一つは脚本が素晴らしかったこと。もう一つは映画界の未来である学生の方々とご一緒できるということ。今の時代に純粋な気持ちで“映画をやりたい!”と思ってくれる若い子がいるのは嬉しい。そんな彼ら彼女たちとご一緒できるなんて光栄です」とオファー快諾の理由を明かす。

とはいえ学生映画。予算を含めて商業映画とは比べ物にならないほどの制約がある。「僕もIT長者みたいにお金に余裕があるわけではありませんし、一応プロの役者ですから、お弁当代くらいはいただきました。でもお金の問題ではないんです。それよりも代えがたいものがあると思うから。若い彼らが今どんなことを考えているのか興味があるし、逆に僕なんかは“声をかけてよ!”とも思う」と俳優としての参加は常々求めていたものだった。

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