公開前から妙に注目度の高い神戸発のホラー映画「みぽりん」が7日、地元の元町映画館でついに初日を迎えた。「みぽらー」と称される熱心なファンが全国(!)から集結したこともあり、初日と2日目はなんと立ち見が出るほどの盛況ぶりで、これ以上ない好スタートとなった。これには同館の支配人、林未来さんも「客の評価はさておき、きちんと結果を出したことは素直にすごいと思います」とサムズアップ。熱狂が続く公開2日目の映画館に潜入した。
午後6時すぎ。上映が始まる午後7時20分までまだ1時間以上あるのに、元町映画館の周囲にはすでに何人ものファンが集結し、「みぽりん、みぽりん」と熱に浮かされたようにつぶやいていた。輪の中に、楽しそうに談笑する松本大樹監督を見つけたので声を掛けてみると、「初日はすごかったですけど、あとは急降下するばかりですねえ!」と明るい笑顔が返ってきた。
劇場2階のロビーにも、キャストやスタッフらが続々と参集。六甲山の山荘に監禁される声優地下アイドルユニット「Oh!それミーオ!」を演じた津田晴香さんとmayuさんも準備が整い、あとは客入れを待つばかりの状態だ。
津田さんは西宮生まれ、神戸育ちの地元民。映画の仕事は今回が初めてだったといい、「こんなに盛り上がるなんて、撮影中は全く予想していませんでした。そもそも、公開できるかどうかすらもわからなかったので…」
正直なところ、完成した作品についてはどう感じているのだろう。
「演じながら、監督ぶっ飛んでんなあ…とは思っていました。でも、自分の撮りたいことだけをひたすら追求しているところがすごい。映画として粗さはあるかもしれないけど、パワーもありますよね!」。…うん、そうだね!
一方のmayuさんは、「あなぐり」と読まれがちな市として知られる兵庫県宍粟(しそう)市出身。現在も宍粟に住み、地元観光大使の座を狙って芸能活動に励んでいるという。ダジャレが好きで、「宍粟って楽しそうと思ってもらえるように」頑張っているそうだ。宍粟だけに。
「映画監督って怖そうなイメージがあったけど、松本監督はとにかく腰が低い。役の細かい設定や、台詞の意図なんかも質問すると丁寧に教えてくれました」
SNSでの「みぽりん」フィーバーはどう思う?
「SNSで映画の存在に気づいてくださった『みぽらー』の人たちが、ビラ配りをしてくれたりも。本当にみんなで作ってきたという感じです」