古今東西、ヒトはいろんな素材で絵を描いてきましたが…まさかこんなものまで…!という驚きの作品が話題です。それはサーモンとマグロで作ったリトルマーメイドのアリエルに、タコのドレス姿の美女、太刀魚のドラゴン…。もう驚きとしか言いようがありません。
作ったのは「お刺身アート」作家のmikyou(@mikyoui00)さん。そんな分野があるとは初めて聞きましたが、mikyouさんの手にかかれば、スーパーに売っている魚の切り身が驚きの姿に。ツイッターで紹介されると一気に拡散され「すさまじい技術とセンス」「美し過ぎる」「外出自粛でもコレは作れない」などの賛辞が相次いで寄せられています。ご本人に聞いてみました。
―「お刺身アート」を始めたきっかけは何だったんでしょう?
「フグの薄造りで造る『鶴盛り』という盛り付け方があり、職人さんによるコンテストもあるそうです。私はフグの免許をもっていませんので、その鶴盛りを他の魚種で造ってみようと思って挑戦したのが始まりです。そのとき使ったのは確かカワハギだったと思いますが…。それが3年ほど前でした」
―3年? でもこの包丁さばき…料理人ですか??
「いえ、飲食店に従事したことはありません。3年前までは包丁も全くできませんでした。薄く切る為に何度も何度も切って、包丁を何度も研いで練習しました。お刺身アートをする為に包丁の腕を磨いたのではなく、綺麗なお刺身の盛り付けの為に包丁の腕を磨いたら、お刺身アートが出来たって感じですね」
―な…なるほど…。もう異次元な感じですが、どれも美しくて…時間もかかりそうですが。
「これまでにもっとも時間がかかったのは3年前に始めたときに作った織姫と彦星だと思いますが、今は10~30分くらいで仕上げています。生ものですし、あくまで食べるために盛り付けているので、鮮度に一番気を配っています」
―作り方や、コツなどはあるのでしょうか。
「使うのは柳刃包丁と盛り付け箸だけです。自分でイラストを描いて色まで想像し、その色に合わせて魚種を選択したり、食べたい魚介があったらまずさばいて切って、適当に盛り付けながら見えてきた物に形作ることもあります。中くらいの魚は基本一匹買い、大きなブリやサーモンはサク買いしてますね。食べきれませんから。コツはピシッと綺麗に切ることと、手早く盛り付けることですね」
と教えてくれました。特にお気に入りは「タコで造ったドレスの女性」だそう。「夏場はクーラーで部屋を冷やし、お皿の下に保冷剤を敷いて作る」というその作品は、「鶴盛りから変化させて形作っているのを意識して見ると、また違う見方ができる」のだとか。
元々インスタグラムで作品を紹介していたそうで、「ツイッターは新型コロナの情報を知るのに見ていただけで、投稿を初めてまだ1週間程度なので…。あっという間にフォロワーさん増えたなあって。驚いています」とmikyouさん。「よくコメントでもったいなくて食べれないと言っていただけます(笑)食べるために盛り付けてますし、食材さえあれば同じ盛り付けはすぐにできますので、がばーっと刺身をとって食べて欲しいです」と話してくれました。
…が、実際こんなのが運ばれてきたら…もったいなくてできない!でも食べたい!美しいのは罪ですね…!